各地にある「ラーメン二郎」のラーメン画像を送ると、それがどの店舗のものなのかを識別する、というツイッターアカウントが話題となっている。
一体、なぜ開発に至ったのか。その苦労や反響などについて、J-CASTニュース編集部が開発者に話を聞いた。
3万枚を超える画像データ
ラーメン二郎は、ボリュームのあるトッピングや、独特の注文方法などで知られ、「ジロリアン」と呼ばれる熱烈なファンがいることでも有名だ。東京・三田の慶応大学そばの店が発祥で、のれん分け店などが各地に広がっている。
そんな各地の二郎ラーメンの画像で店舗名を割り出す、というのが、「jirou_deep」というツイッターのアカウントだ。2017年8月10日に一般公開され、人工知能(AI)のディープラーニングの技術を用いて、送られた画像で店ごとの違いを識別するという。
8月21日、開発者の土井賢治さんに話を聞いた。土井さんは、システム開発に携わる30代の会社員だ。
このアカウントでは、4月時点でのWikipediaの「ラーメン二郎」のページに掲載されていた41店舗についての識別をしている。8月21日現在、3万枚を超える画像データを用いて識別を行い、正答率はおおむね88.0%だという。
実際にアカウントを見てみると、ラーメンの画像を送ってきた人に対して、識別された店舗名、一致度の高いトップ3の店舗など分析結果を送り返している。
一体なぜこのようなものを作ったのか。土井さんは、
「あくまで個人の趣味の範囲内ですが」
と前置きしたうえで、
「1つは社内の技術発表イベントで同僚がやっていた、二郎ラーメンの画像の分類に刺激を受けたことです。もう1つは、社内のジロリアンが二郎ラーメンの画像だけで店舗を判別しているのを見たんです。そのときに二郎ラーメンの画像には何らかの判別の手がかりがあると気づきまして、もし識別機を作れたら面白いんじゃないか、と思いました」
と話した。
開発の苦労については、
「データの収集と整理ですね。データ収集は17年の4月ごろから始めましたが、ラーメン二郎以外の店のラーメン画像も大量に含まれていたので大変でした。画像を整理している過程で、私も識別できるようになってきました」
と語る。識別のポイントについて聞くと、
「ラーメンが載っているテーブルの色は大きな特徴だと思います。あとは肉の様子でしょうか」
と明かした。