夏休みは文字通り「休み」なのだから「夏休みに宿題を課すことに疑問を感じる」。村尾信尚さん(61)の発言に小中高生と思われる人たちから「村尾さんは神!」「先生に聞かせてやりたい」などと絶賛の声があがっている。
一方で「大人」たちからは、子供は放って置いたら何もしない、学力低下は明らか、などと批判の声が出ることになった。
夏休みは文字通り「休み」なんですから
日本テレビ系報道番組「ZERO」(2017年8月24日放送)では、子供の夏休みの宿題に関する特集を放送した。ネット上では夏休みの宿題代行サービスや、読書感想文、自由研究の「完成版」が販売されていて、それを利用する人が増えているという内容だった。番組のインタビューに応えた親子は、酷いと思うくらい宿題の量が多いし、親も大変だ、などと話していた。
こうしたVTRを見終ったキャスターの村尾さんは、夏休みの宿題はそもそも必要なのか、北欧では宿題を出さない学校がある、と議論を投げかけた。
「夏休みは文字通り休みなんですから、強制的に宿題を課すことに私は正直疑問を感じるんですね。休みだからこそ自分が好きなことを探したり、関心のあることに集中すべきではないか」
とし、子供たちの可能性をどう引き出していくのかは国家の成長戦略にもつながる、とした。
これに敏感に反応したのは、宿題を学校に提出するためのラストスパートに入っている小中高生と思われる人たちだ。ツイッターには、
「村尾さん神だ~」
「村尾さん、私の気持ちいや全国の小中高生の気持ち分かってくれてありがとう。自分のやりたいことがやれてないんです。勉強、宿題、課題というものによって」
「これ先生見てれば良いのに...。 村尾さん正論。。 言ってることは先生からすればやばいのに。。 普通に村尾さん正論。笑笑」
「あんだけ大量に出されたら全然友達と遊べんわ 今年の夏休みは3回くらいしか遊べてないし泣」
「この人が国のリーダーになるべきだと私は思う」
などの書き込みが出て、大はしゃぎとなった。一方で、こうした大はしゃぎを知った「大人」たちからは批判の声もあがった。
ガキなんてほっといたらだらだらするだけで何もしねえよ
掲示板には
「ガキなんてほっといたらだらだらするだけで何もしねえよ。好きなことがある奴なら宿題があろうが無かろうがやる」
「人間は強制されて、かろうじてまとも」
「大人になってから分かったけど宿題はあった方がいいぞ。7月中に終わらせられるやつは働いてからもきっちり締切守る。8月の最終日で泣きながら慌てて手をつけるやつは働いても締切ギリギリで手をつけ、後で怒られるやつになる。スケジュール管理能力が養われる」
などといったことが書き込まれた。
夏休みの宿題については以前に、脳科学者の茂木健一郎さんが「要らない」とツイッターでつぶやいて議論になったことがある。夏休みの本質はふだんとは違うことをやって、ぼーっとすること。新学期とともに「はっ」とするのが良いとした。
「夏休みの宿題というのは実に邪魔なものであって、そんなものは要らないと思うのである。思うに、あれは、子どもが遊んでいると不安だという保護者の気持ちと、学校の事なかれ主義が結託した、中途半端で意味のない悪弊であろう」(14年8月8日)
と主張し、これも賛否両論となった。