「ドーピングってのはこうして選手の刻む生涯最高の瞬間をいとも簡単に奪い去る」
こう訴えるのは、タレントの武井壮さん(44)だ。ルイス・ネリ選手(22、メキシコ)をめぐる「ドーピング疑惑」について、持論を展開している。
「シロ」の事例も
ネリ選手は、2017年8月15日に行われた世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトル戦で、王者の山中慎介選手(34)を破った。
だが、試合前のドーピング検査で陽性反応があり、筋肉増強作用がある禁止薬物「ジルパテロール」が検出されたことがわかった。WBCが8月23日、公式サイトで発表した。
これを受け、ネリ選手の王座剥奪および山中選手の王座復帰の可能性が浮上している。具志堅用高氏(62)が持つ13度の防衛記録にふたたび挑戦できる――そんな期待もある一方、「お咎めなし」と見る向きもある。
「ジルパテロール」と作用が似ている別の禁止薬物に、「クレンブテロール」がある。牛や豚など家畜の体重を増やす作用があり、その肉を食べた場合に陽性反応がでることもある。今回のケースも「食肉」が原因のため王座剥奪は無いのでは、との報道もある。
その根拠として、次の事例があげられる。WBC世界スーパーフェザー級王者のフランシスコ・バルガス選手(32、メキシコ)は16年4月、ドーピング検査で禁止薬物のクレンブテロールに陽性反応を示した。15年11月に三浦隆司選手(33)から王座を奪っており、一時はライセンスの剥奪も検討された。
しかし、バルガス陣営は「メキシコ国内で食べた肉にクレンブテロールが含まれていたのではないか」と主張。結局、条件付きで、ライセンスを付与されることになった。
武井壮「すぐ判断はつくはず」
武井さんは2017年8月24日、自身のツイッターで、ネリに陽性反応があったことを伝えるニュースのリンクとともに、
「ドーピングってのはこうして選手の刻む生涯最高の瞬間をいとも簡単に奪い去る」
などと、見解を述べる。
「ネリの薬物違反はまだ100%確定じゃない」としている一方、その後少し時間を置いてから、「食肉説」についてもこう言及している。
「ネリの件はその薬物ジルパテロールの検出の量などから食物汚染によるのか意図的な摂取なのかが判断されるはず。牛肉食って基準値超えるなんてのはありえないだろうから、すぐ判断はつくはず」
WBCは、別の検体(B検体)の検査結果などを踏まえ結論を出すとしている。