これなら眠れる「シャッフル睡眠法」 カナダの学者が考案、欧米で評判

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   猛烈な暑さが続き、寝苦しい夜を過ごしているアナタ、「シャッフル睡眠法」という眠りに落ちる方法が欧米で話題になっているはご存じだろうか。

   フォーブズ誌、ニューヨークタイムズ、CBC放送など多くのメディアが取り上げた。ランダムに言葉のイメージを思い浮かべるだけの超簡単方法だ。

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ランダムに言葉のイメージを思い浮かべる

   眠れない時にオススメといわれる方法は数多くある。ヒツジの数を数える、天井の穴を数える、100から1まで逆に数える、ホットミルクを飲む、腹式呼吸をする、瞑想する......。

   「そんな伝統的な方法はほとんど役に立たなかった。ヒツジの数を数えるのは退屈だった。瞑想はより注意深くなってしまった。しかしこれは違った!」と英ガーディアン紙の科学記者オリバー・バークマン氏が驚いたのが「シャッフル睡眠法」だ。同紙の「あなたの思考をシャッフルして寝てください」(2016年7月15日付)によると、考案したのはカナダのサイモン・フレーザー大学の認知科学者リュック・ボードウィン博士。150人の学生を対象にはじめた「お遊びのゲーム」が、ほとんどの学生が眠くなるという劇的な効果をあげ、口コミで広がったという。

   方法は簡単だ。まず床に入り、簡単な言葉を思い浮かべる。仕事やストレスを連想させる言葉はダメ。リラックスできる言葉がいい。たとえば、「bird」(鳥)という言葉。次にそれぞれの文字b、i、r、dから始まる言葉を、思いつくだけ思い浮かべる。bなら「boy」(少年)、「book」(本)...。iなら「ice cream」(アイスクリーム)、「iced tea」(アイスティー)...。そして、少年が遊んでいるシーンや楽しい本の表紙、冷たいアイスクリームなど、脈絡のない情景を思い浮かべているうちに眠くなるという寸法だ。たいてい、最後のdにいかないうちに眠りに落ちるらしい。

   理屈はシンプルだ。「人間は論理的に考えている時は眠れない。ランダムな思考(言葉のイメージ)を、トランプカードを混ぜ合わせるようにシャッフルしていると眠りやすくなる」という原理に基づいている。ボードウィン博士は、この原理を生かし、「mySleepButton」というiPhone用の無料アプリを作った。これは、音声で「赤ちゃん」「カヌー」「ジョギングしている男女」など、脈なくのない言葉が次々に出てきて、それらの景色を想像しているうちに眠くなるという寸法だ。実は、ガーディアン紙のバークマン記者が試したのはこのアプリの方だった。これなら日本語のアプリでも、ランダムに言葉が発せられるものが作れそうだ。

人間の脳は「寝ても安全かどうか」常に警戒している

   「mySleepButton」のウェブサイトを見ると、ボードウィン博士が「シャッフル睡眠法」の科学的な根拠をこう解説している(要約抜粋)。

「睡眠は不可欠だが、眠りに落ちるのは危険な行為だ。いつ敵に襲われるかわからないからだ。そこで脳は、長い進化の過程で、眠りに落ちても安全かどうか見極める仕組みを発達させた。大脳皮質が無意識のうちに周囲に起こっている様々な現象を把握し、理解しようと努めている」
「たとえば、女性が通りを横切ろうとする光景がチラリと目に入ったとする。無意識のうちに大脳皮質は、彼女が無事に通りを渡るか、誰かが彼女を待っているのか、大忙しで分析する作業を続けている。大脳皮質がこうした理論だった活動をしていれば、それは『まだ寝てはいけない』という合図になる。脳は大脳皮質の活動を見極めてから、眠ってもいいか判断を下す」
「何の脈絡もないイメージを連想していると、大脳皮質の理論だった活動をシャッフルしてやめさせることになる。それが、『眠りのスイッチを入れてもOK』という合図になるのだ」

   「シャッフル睡眠法」を試すとすると、「あ・い・う・え・お」の日本語で連想することになりそうだ。

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