正体は、ニコニコ動画のパロディー映像
結論から言うと、やはりこの画像は「フェイク」だ。
その正体は、2016年10月にニコニコ動画に投稿された「テレビ下北沢の一日2016秋」というタイトルの、テレビ番組やCMなどをパロディーにした映像の一部分を切り出したものである。映像ではバックに「蛍の光」が流れ続けるなど、さらに不気味だが、通して観ればジョーク動画だとすぐにわかる。しかし今回はキャプチャーだけだったために、「本物」と勘違いする人も出たようだ。
なおこのニコニコ動画の作品のさらに元ネタと見られるのが、米国のクリエイター、クリス・ストラウブさんが2016年にYouTube上で公開した「Local 58」という映像だ。地方局で深夜、放送事故で流れてしまった緊急番組――という設定で、やはり緊急事態に陥った米国で、「尊厳を保つための行動(=自殺)」を取るよう当局が呼びかけるというブラックな内容である。
問題の画像が話題になり始めた2017年5月は、北朝鮮情勢の緊迫が顕在化し、ミサイル落下などの非常時に政府が放送する「国民保護サイレン(Jアラート)」が話題になった直後だった。緊張はなおも続くが、こうした不安が拡散にも影響しているとも取れる。