東京都の小池百合子知事が、関東大震災で虐殺された朝鮮人の追悼式典に、知事としての追悼文を送らないことを決めた。
過去の都知事は送るのが通例になっていた。あの石原慎太郎氏も踏襲していたこともあり、インターネット上では小池氏に対して「超極右の本性剥き出す」と批判的な向きがある。一方で「真っ当な判断」と支持する声もあり、両論が入り乱れている。
「小池は好判断が多いねえ」
日朝協会など市民団体が主催する関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式は都立横網町公園(墨田区)で毎年開かれており、2017年は9月1日に予定されている。1923年の関東大震災では、発生直後から「朝鮮人が暴動を起こした」という流言が飛び、これを信じた人々が朝鮮人を虐殺するという事件が起きた。
同式典には例年、知事名で追悼文が寄せられてきた。近年でも石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏、舛添要一氏らが踏襲し、小池氏も16年の式典には送っていたが、17年は送らないことに決めた。都建設局の担当者が8月24日、J-CASTニュースの取材に答えた。
異例の決定となったため、インターネット掲示板やツイッターなどでは小池氏への賛否が噴出。意見が真っ二つに分かれた。賛成派からは
「真っ当な判断だな」
「小池は好判断が多いねえ」
「こう言う判断をさらっと出来るだけでも 小池都知事が東京のトップで本当に良かったと思える」
といった声の他、「小池は支持しないが、この件での判断は支持する」と、普段は反小池氏の立場の一部ユーザーも評価したようだ。作家の百田尚樹氏はツイッターで
「これは評価できる。関東大震災の後の朝鮮人虐殺は多くの謎に満ちている」
と支持を表明している。
「超極右の本性剥き出す」
反対派からは
「とうとう小池都知事が超極右の本性剥き出す」
「これが事実ならもう見限るしかない」
「ここにも歴史修正主義か」
「1人でも殺されたとしたら、追悼文送るのが筋でしょ。うわー小池さんもう支持しません」
と非難されている。在日朝鮮人で市民団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉(しん・すご)氏は
「小池なら、やるだろうね。スタートから韓国、朝鮮、在日叩きだから」
と批判的なツイートをしている。
前出の都の担当者は、送付見送りの理由について、「公益財団法人・東京都慰霊協会の主催で毎年3月と9月に開かれる、関東大震災や東京大空襲の犠牲者を慰霊する行事に知事が追悼の辞を寄せているため、それ以外の追悼式典への追悼文送付は、朝鮮人犠牲者追悼式に限らずやめることになりました」と取材に明かした。
また3月の都議会では、同式典の案内状にある犠牲者数「6000余名」という数字の根拠が薄いとして自民党都議が問題視。追悼文送付を見直す必要があると指摘し、小池氏は「毎年慣例的に送付してきた。今後は私が目を通し適切に判断する」と答弁していた。
担当者は、この質疑と答弁も今回の決定に1つのきっかけだとし「7月に追悼文送付の中止案を都の事務方が作成し、小池氏の承認を得ました」と話した。