他地域のイルカの観察も必要
ただしニコルソン博士の指摘は、あくまでもマンジュラのシャーク湾に生息するハンドウイルカの群を観察したことで導かれた推測で、すべてのハンドウイルカや同性愛行為を行う動物でも同じ理由かは不明だ。博士は他地域のイルカの同性愛行為も観察し、その目的を明らかにしたいとしている。
シャーク湾のハンドウイルカを含む研究を続けてきた米ジョージタウン大学のジャネット・マン博士は「イルカの同性愛は単一の目的ではなく、複合的な目的のためだと思われる」とし、
「オス同士の関係構築もあると思われるが、若い個体が繁殖期に備えて交尾の練習をするといった意図もあるのではないか」
と話していた。