人気漫画『ガラスの仮面』の連載40周年を記念した「ガラスの仮面展」が、東京都内で始まった。作者の美内すずえさん(66)もオープニング行事に参加し、作品への思いを語った。
休載も多く、話の進展が遅いことでも有名なこの作品。美内さんがこの日、ラストは頭の中では20年前に完成している、と話したことが報じられると、ツイッター上ではファンらから、「(それなら)早く最終回を描いてほしい」「ラストを読めずに逝った友人が憐れだ」といった反応が相次いだ。
累計発行部数は5000万部を超す
「ガラスの仮面展」は、2016年に連載40周年を迎えたことを祝い、17年8月23日から東京・銀座の松屋銀座で始まった。初日のイベントには美内さんも出席。ラストの場面に関する先の発言も出て、デイリースポーツ(電子版)が「『ガラスの仮面』ラストは20年前に頭の中で完成 美内すずえ氏明かす」と報じるなどした。
作品は、演劇界の幻の名作「紅天女」の主役の座をめぐり、主人公の北島マヤが宿命のライバルと壮絶な競争を繰り広げる様子や、マヤを陰ながら支える「紫のバラのひと」との恋模様を軸に展開する。2012年に49巻が出たが、50巻は17年8月23日現在、出版されておらず、ファンをやきもきさせている。単行本の累計発行部数は5000万部を超えており、ロングランのベストセラーとして知られる。
美内さんの23日の「ラスト~」発言記事などに対しては、早く最終回を読みたい、という人達からツイッターで、
「死ぬ前に書き上げてくれよ!私が死ぬに死ねないんだよ!」
「(ラストは)いつまで待てばいいですか?! 生きてるうちに読めますか?!」
「最後見ないと死んでも死にきれない!」
と、懇願とも苦情ともつかない、心の叫びが相次いで寄せられた。中には、「途中経過すっとばして」でも「最終回描いてもらえませんでしょうか」と訴える人もいた。
「決まっている」発言は以前にも
また、自身の周囲にいたファンで、今は亡き友人らに思いを寄せる人もいて、
「ラストも読めずに逝った友人が憐れだ」
「俺の知り合いで、2人程ガラスの仮面ファンでラストを見る事なく逝った奴いるんですけど」
と振り返っていた。
もっとも、美内さんによる「ラストは20年(以上)前に決まっている」発言は、今回が初めてというわけではなく、ファンの中に上記のような反応があるのも、実は目新しい話ではない。たとえば、2016年11月12日配信の東京新聞記事でも、美内さんは「(最終回は)構図もせりふも最後のページの画面も、20年以上前に決まっている」と答えており、記事の中でも、「熱心なファンからは『最終回を見るまで死ねない』という声もあがるが...」という指摘が出ている。
ただ、今回、40周年記念の展示会という節目で、美内さんの「ラスト」発言が出たことで、あらためて「定番ネタ」の反応が再燃したようだ。
今回始まった銀座の「ガラスの仮面展」は9月4日まで。12月1日からは京都市でも展示が始まる。