「八ッ場ダムだけは、いまだにどこに行っても言われる」
両候補自身の代表としての資質にも触れられた。09~12年の3年3か月で終わった旧民主党政権で、前原氏は外務大臣など、枝野氏は官房長官など、政府要職を歴任してきた。この経歴を引き合いに「旧民主党政権の失敗の象徴・顔のような方で党の再生ができるのか」との質問が出た。
前原氏は与党で得た経験として「失敗は(国民に)ずっと覚えられる。八ッ場ダムだけは、いまだにどこに行っても言われる。1つの失敗が命取りになると認識させられた」と語った。国土交通大臣時代の09年、前原氏は八ッ場ダム(群馬県長野原町)建設事業の中止を発表し、関係者の大きな反発を招いた経緯がある。そこで、「失敗した人間だからこそ怖さを知っている。そういう人間が中核にいないと、何かの拍子で我々が政権をとってもまた失敗を繰り返す」と主張した。
枝野氏も「官房長官や幹事長として、リーダーを側で支えてきた。『あ、これはうまくいかないのではないか』という気持ちになることもあった。そういう状況を一番多く見てきた。だから次はうまくできる」と、「失敗」を糧にする旨を主張していた。