スーパーのポテトサラダからO157 感染源は「無症状」の保菌者か

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2日連続で患者が出た「謎」

   番組では、感染源として考えられるものとして(1)ポテトサラダ、(2)ハム・リンゴ、(3)スプーン、の3点を挙げた。中村氏が疑うのは、スプーンだ。調理時は衛生対応が徹底いるのに対して、販売時には不特定多数の客が触れるスプーンの消毒回数が1日1回では少なすぎる、というのだ。

   具体的な感染ルートについて、埼玉県食品安全課に取材したところ、8月22日時点では「調査中」との回答だった。

   もうひとつ注目すべきは、感染が2日間に渡っている点だ。セルフサービス形式で惣菜を購入する店は、それほど珍しくない。ではなぜこの店は、2日連続で患者を出したのか。可能性を考えてみた。

   東京都感染症情報センターのサイトによると、O157に感染すると潜伏期間が2~9日間ある。その後、激しい腹痛を伴う下痢や血便を起こす。O157に感染した人が、発症前の潜伏期間中に2日続けて店で何らかの形でポテトサラダや周辺器具に触れたかもしれない。

   またO157に感染しても、必ずしも発症するとは限らない。番組では中村氏が、「無症状の保菌者」がスプーンなどに触れていた可能性を挙げていた。

   J-CASTヘルスケアが東京都感染症情報センターに取材したところ、感染したら病気になるかどうかは個人差で、「する・しない」のはっきりした割合は分からない。ただし、高齢者と5歳未満の乳幼児は重症化しやすいので、より徹底した予防策を講じてほしいと担当者は話した。

   今回の埼玉県の事例が、無症状の保菌者によるものかは現時点では何とも言えない。いずれにしろ、広い店内でポテトサラダだけが原因となっていることから、感染ルートはかなり限定的とみられる。

   今回のように第三者が調理した食品から感染するケースは、なかなか防ぐのが難しい。だが、二次感染を防ぐために手洗いの徹底などできることはある。また調理の際は中心部の温度が75度で1分以上加熱すれば殺菌ができる。逆にマイナス15度以下なら増殖は抑えられるが死滅させられるわけではない。こうしたO157の性質を知っておくのも有益だ。厚生労働省はサイトで、食中毒予防の6つのポイントを紹介しているので、参考にするとよいだろう。

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