台風で壊れた看板
しかし、市の担当者は「ハンカチ・メモリアル・スタジアム」の愛称消滅について「斎藤選手の人気の変化が特段影響したわけではありません」と話す。兵庫国体では斎藤、田中以外にも大嶺祐太(現・ロッテ)や橋本良平(元・阪神)ら、「ハンカチ世代」と呼ばれる超高校級選手が複数出場しており、「愛称には『ハンカチ王子』とともに『ハンカチ世代』の意味合いがあります」という。
当時の「ハンカチ」人気は凄まじく、地元市民の球場の利用促進につながり、PRは一定の成果をあげた。一方で、球場の看板は国体後のあまった材料で作ったものだが、台風で壊れる程度の強度で、その度に作り直した。
「愛称の設定はもともとゼロ予算ではじまりました。頑丈な看板を用意するには経費がかかるので財政的な問題が出ます。名前を公募していたならどうにか残そうとしたかもしれませんが、職員の間で考えたものだったのでそうはなりませんでした。そして看板は2013年秋の台風で壊れて撤去して以来新設しなくなり、愛称も使われなくなりました」
斎藤自身がテレビ番組などで「『ハンカチ王子』という名前が嫌だった」と発言していたのも影響したという。「ハンカチ・メモリアル・スタジアム」の名はひっそりと姿を消し、現時点で「再登板」の予定もないという。