【生命38億年スペシャル"人間とは何だ...!?"】(TBS系)2017年8月14日放送
「急増する子供たちの近眼...そのカギは『太陽光』だった」
美白を保つためや皮ふがんの予防などで、紫外線を徹底的にガードしている人は多そうだ。日焼け止めはもちろん、帽子にサングラス、真夏でも長袖着用などなど...。
しかし、あまりに日光を避けすぎると、別の病気を引き起こしてしまうおそれがある。
窓から入る日光では効果なし
中国では、10代~青年世代の「近視」率が90%にものぼり、世界一の青少年近視大国といえる。首都の北京では特に深刻で、若者の多くがメガネを着用している。
この「近視」、実は日光が関係している。近視は眼球の奥行きを指す「眼軸長(がんじくちょう)」が伸びた状態で、太陽光に含まれる「バイオレットライト」が目に入ると眼軸長の伸びを抑える働きがあると近年わかってきた。
中国はPM2.5などによる大気汚染で日光が人間まで届きにくい環境にあり、近視増加の理由の一つと考えられている。
窓から入る日光を浴びていれば大丈夫...というわけではない。窓ガラスの多くは紫外線を遮断するよう作られていて、バイオレットライトもカットしてしまう。外出しないとバイオレットライトは浴びられないのだ。
短時間の日光浴でOK
日光に当たらないとビタミンDが不足し、近視以外の病気の発症リスクも高まる。
ビタミンDは、ビタミンの中で唯一体内で作られる。日光を浴びると皮ふで生成され、骨を作ったり、免疫力を上げたり、細胞を活性化させたりと、病気の治癒や予防には必須の栄養素だ。
最近増加している、小児期に骨が変形、湾曲してしまう「くる病」は、母の妊娠中のビタミンD不足が一因といわれている。
ビタミンD生成に必要な日光浴の時間は、夏だと関東で10分、北海道で13分、沖縄で6分程度だ。