日焼けすると自律神経のバランスが崩れて疲れやすく
「光老化」は、肌の弾力性をなくすだけでなく、シミやシワの原因になる。肌が紫外線に当たると表皮の一番下にあるメラノサイトが活性化しメラニン色素を分泌し肌を黒くする。またコラーゲンを作り出す機能が低下し、真皮を正しい構造に保てなくなりシワとなる。さらに、水分バリアが壊され、乾燥肌になりやすくなる。スタジオで5人の肌の「水分量」を測ると、最年少なのに「日焼け大好き」のCさんが突出して水分が少ない結果が出た。
上出医師「光老化は慢性的に紫外線に浴びた人のなれの果てですが、最近、紫外線を多く浴びるとダルくなるなど、紫外線と疲労との関係が注目されています」
今度は5人の男性を被験者に、紫外線を浴びると疲れる実験を行なった。日なたと室内で交互に40分間ずつ椅子に座った状態で過ごしてもらい、疲労値を比較する。日なたと室内は同じ気温、湿度に設定した。違うのは日なたでは紫外線を浴びることだ。5人とも日なただと疲労値がアップした。紫外線を浴びると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れるためだ。しかし、室内に戻ると疲労値は低下した。ところが1人、先ほどの「日焼け大好き」のCさんだけが逆に疲労値が高くなった。上出医師がこう説明した。
上出医師「普段から紫外線を浴びているため、体の自然な放熱作用がうまく働かなくなっていると考えられます。室内でも熱を放出させるためにたくさん汗をかく必要があり、エネルギーを使い果たしてしまったのです」
もう1人、日なたで疲労値が高かったDさんには日焼け止めを塗ってもらった。すると、ほかのメンバーに比べ、日なたでの疲労値がグッと減った。一方、Eさん、Fさんは疲労値が上昇。Fさんに至っては室内でいったん下がった疲労値が、日なたでは2倍近くに高くなるという結果に。
上出医師「外で座っているだけで疲れてしまう現象を『サンバーン』(サン=太陽・バーン=やけど)といいます。その時、炎症を起こす物質が体中を回り、疲労の原因となっているのです。紫外線によって傷つけられた細胞や遺伝子を修復しようと、無意識に体力を消費して疲労感が増すのです」