真夏の夜の怖い現象「金縛り」 幽霊は関係なし、「寝付き時」に多い

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十分な睡眠と規則正しい生活が大切

   一方で、レム睡眠から覚醒に移行した時にも、出眠時の金縛りが生じることがあるという。ただし「勿論、レム睡眠からの覚醒で必ず生じるわけではありません。むしろ稀です」と碓氷氏。どういう時に起こるかは分かっていないという。

   金縛りになりやすい条件はあるだろうか。

「入眠時の睡眠麻痺は、若年者(10代~20代)に多い、中途覚醒後の再入眠時に多い、睡眠不足で生じやすい、不規則な睡眠覚醒リズムで生じやすい、などが知られています。また抗うつ薬を内服していた方が急に止めるとレム睡眠が増えるので、生じやすくなります」

   また金縛りを「心霊現象」と結びつける話をよく聞く。この点についても、碓氷氏に質問した。答えはこうだ。

「レム睡眠時に夢を見ます。通常は覚醒と時間的に断絶された中(入眠から90分前後)でレム睡眠になるので、夢は夢となります。しかし、覚醒を引きずったままレム睡眠に移行すると、寝床で寝ようとしている現実世界に夢が混入します。これは入眠時幻覚と呼ばれます。人の姿は見えないけれど気配をありありと感じる(実体的意識性)のはこの時よくあるものです。何かが見えたり、聞こえたり、触られた感じがしたりすることもあります。
   金縛りは体を動かそうと思っても動けない状態ですので、身体が重く、何かが乗っているかのようにも感じます。
   体験としては非常に怖いことになるので、幽霊話になり易いのでしょう」

   やみくもに「金縛りが怖い、不安」と落ち込むよりも、規則的で十分な睡眠をとるか、一度生活を見つめてみることが大事だ。また、若者にはあり得る現象である点も碓氷氏は指摘している。「規則正しく十分な睡眠時間、10代は8時間以上、成人は7時間以上をとっているか、振り返ってみて下さい」と勧めた。

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