民進党代表候補の前原氏と枝野氏、主張に大幅なズレ 「解党でいいんじゃない」

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   民進党の代表選挙に立候補した前原誠司氏と枝野幸男氏が2017年8月21日、党本部で共同記者会見を開き、自身の政治理念を述べた。

   憲法改正や野党共闘、原発に関する主張には大幅なズレも見えた。インターネット上では「これだけ方向性が違う人が同じ政党だなんて」と呆れる声も少なくない。

  • 民進党代表選挙の共同会見に臨み、笑顔で握手する前原誠司氏(右)と枝野幸男氏
    民進党代表選挙の共同会見に臨み、笑顔で握手する前原誠司氏(右)と枝野幸男氏
  • 民進党代表選挙の共同会見に臨み、笑顔で握手する前原誠司氏(右)と枝野幸男氏

前原氏、加憲について自分の方が安倍首相より早いと胸張る

   安倍政権が進めようとしている憲法改正。

   まず、前原氏は「言ってみれば安倍さんの実績作り、思い出作り、に与するつもりはまったくない」と批判を展開。

   しかし、安倍政権が憲法9条に自衛隊を明記するという加憲の考えを進めるとみられているが、加憲は前原氏がかつてから述べてきたことであり、「安倍首相と同じではないか」との質問に対し、「安倍さんに似通っているといわれるが、私が安倍さんに追随したのではない。時系列でいうと私が申し上げたのが早いんです」と自慢げに語った。前原氏は改憲でなく加憲の立場であると日ごろから主張しており、安倍政権以上の「右寄り」を披露した。

   一方、枝野氏は「民主主義を強化し、国民の人権保証をより高め、国民生活、国民経済をよくするために憲法を変える必要がある、あるいは変えた方がより進むのなら、その議論は積極的に進めるべきだ。これまでも党の政策調査会長としてそうした議論をリードしてきた」と従来の姿勢を示した。

   9条については「安保法制の、憲法違反の部分を少なくとも消さなければ議論の余地がない」と、議論の前提として安保法制の存在を問題視した。

   衆院選挙に向けた野党共闘については、前原氏は「理念・政策が合うなら幅広く協力する」としつつ、野党4党合意事項については「是非について見直しをしていく」と消極的だ。

   だが枝野氏は「野党間で、我が党の主体性をもちながらできることを最大限やる」。幹事長として対応した16年の参院選について、「幅広い連携で野党候補を一本化したことで、一定の成果をあげられた」と振り返り、「仲間たちを一人でも多く当選させる。これも大きな責任だ」と主張した。

原発ゼロ「2030年代に」「一日も早く」

   「原発ゼロ」の実現時期についても違いが浮き彫りになった。前原氏は「私が政策調査会長時代にまとめた『2030年代原発ゼロ』をめざして、あらゆる政策資源を投入する。原発のない社会を着実、現実的につくっていく」と発言。

   これに対して、枝野氏は「目標の時期が重要とは思わない」と切り出した。「いかにすれば一日も早く原発ゼロを実現できるか、リアリティある工程表をしっかり示す」として、「年内に法案を国会提出したい」と力説した。

   インターネット掲示板やツイッターでは、こうした両者の主張にズレを感じたユーザーもおり、冷めた声が少なくなかった。

「同じ党でこんだけ政策違ったらあかんやろ」
「これだけ方向性が違う人が同じ政党だなんて。民進党の迷走の要因の一つなんでしょうね。結集軸がまるで分からない政党であることがよく分かりました」
「代表決めるのに違う政策述べるのってもう解党でいいんじゃないすかね」
「負けた方は離党し、主義主張が近い他の政治勢力と協力してほしい。そもそもこれほど主張の異なる人達が一つの政党でいる必要がない」
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