白人至上主義者の恰好の抗議場所
シャーロッツビルは南部に位置するものの、都市にある多くの大学町がそうであるように、今では非常にリベラルな土地柄となった。民主党支持者が多く、2016年の大統領選では住民の8割がクリントン氏に投票した。
今回の集会の主催者のひとりは、「シャーロッツビルは大学町によく見られるマルクス主義に染まった極左のコミュニティで、何でも白人のせいにする土地柄」だと主張する。そのため、白人至上主義者の恰好の抗議場所となったようだ。
彼らはここで2017年5月にも、KKK(クー・クラックス・クラン)が以前、たいまつの火を掲げて黒人を脅したように、おどろおどろしい集会を催し、注目を浴びた。これに対し、集会に反対する人たちは、キャンドルに火を灯して抗議した。白人至上主義者の集会は7月にも行われ、約50人のKKKメンバーがローブを身につけたり、南軍旗を振りかざしたりして、現れた。これに対して地元住民など約1千人が、「人種差別者は帰れ」と抗議した。
8月には大規模な集会になると知り、住民の一部はその中止を市に求めていた。市側も市の中心部での集会は混乱を招くとして、許可しなかった。が、集会の発起人が裁判を起こして勝訴したため、市の意向に反して街の中心で行われた。
トランプ大統領はすぐに今回の衝突を非難したものの、「白人至上主義者」を名指ししなかったことで共和党支持者からも激しい批判を受けた。14日になって、「事実を知るのに時間が必要だった」と弁明し、ようやく「白人至上主義者」を批判する声明を発表した。
しかし、15日には、「暴力的だったのは、右派だけではない。左派にも責任がある」、「奴隷を所有していたジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソンの像も撤去するのか」などと発言し、再び非難を浴びた。