トヨタはここまでやる 「働き方改革」で加速

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   トヨタ自動車は、残業時間に関係なく毎月45時間分の残業代を支給することを保証する新制度を始める。在宅勤務を認める範囲も広げる。世界的に自動運転車や電気自動車(EV)へのうねりが起こるなか、競争相手は米グーグルなど異業種も加わっており、このほかの施策を含め、働き方改革を加速することで多様な人材の確保を図る。

   すでに労働組合に提示しており、協議のうえ、それぞれ2017年12月の導入を目指す。

  • EVのみならず、働き方改革でもトヨタは一歩前に進むのか(画像はイメージです)
    EVのみならず、働き方改革でもトヨタは一歩前に進むのか(画像はイメージです)
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残業代保証、在宅勤務の対象拡大...

   まず、「残業代保証」は、対象が事務や研究開発に携わる係長級の約7800人。本人が申請し、会社が承認することが前提だ。むろん人によって金額は違うが、45時間分の残業代は17万円程度。月の残業時間の上限は従来から繁忙期に認めてきた80時間を適用し、45時間を超過した分は別途支給する。週に2時間以上出社していれば、在宅勤務も可能だ。過重労働を防ぐため、休暇取得状況には目をひからせる。対象者は夏休みや冬休み以外にも平日に5日連続の休暇を取り、これを含めた年間計20日間の有給休暇取得を義務付ける。この休暇取得を達成しないと、翌年から残業代保証の対象から外れる。

   次に在宅勤務についてトヨタは、すでに段階的に認めてきており、2016年秋には、ほぼすべての総合職社員約2万5000人を対象にした。これはトヨタ本体の社員約7万2000人(16年3月時点)の約3分の1にあたる。子育て世帯を支援するだけでなく、「介護離職」を未然に防ぐ目的もある。週1日、2時間だけ出社すれば、自宅を含めた社外での勤務が可能というもの。ただ、対象は管理部門の事務職や開発部門の技術職で、一般的な工場勤務者は含まれていなかった。

   そこで、今回新たに対象を拡大、勤続1年以上で退職を控えていない「業務職」(一般職)と呼ばれる約4200人が利用できるように、大幅に拡充した。オフィスで事務支援的なデスクワークにあたる従業員で、大半が女性だ。こうした人たちの中には子育てとの兼務に悩む人が増えており、これに対応するのが狙いで、親の介護でもOK。勤務時間内に4時間在社すればよい。本人が1週間前までに申請し、上司が承認する。一般職を対象にした在宅勤務制度はあまり例がない。

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