新しく学習しないので記憶しやすい?
なぜこのような結果となったのか。モーガン教授は記憶する際の脳の働きに、アルコールが影響した可能性を指摘している。
脳で何かを記憶する際は、「海馬」で新しく学習した「短期記憶」を「長期記憶」へと置き換えているが、新しく学習するものが多ければ長期記憶に置き換えるリソースがなかなか確保できない。
しかし、アルコールを摂取すると新しく学習したものが脳に入ってこない状態となるため、飲酒直前に学習した内容を長期記憶へ置き換える余裕が生まれているのではないかという推測だ。
とはいえ、記憶力を良くするために大量に酒を飲め、などとモーガン教授らは推奨しているわけではない。短期的な学習効果が向上しているとはいえ、その効果は限定的だ。また、アルコールによって悪影響がもたらされるのも事実であり、そのことが帳消しになるわけでもない。
捨て身の一夜漬け試験対策程度には使える......かもしれない。