インドパワーでダイエットと健康長寿 超お手軽「スパイスふりかけ」の作り方

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【美と若さの新常識 インド・ビューティー】(NHKBSプレミアム)2017年8月10日放送
あなたは風?火?水? 体質を知ってキレイに!

   インドといえば、ヨガに、インドエステで用いられるオイルトリートメント、そしてインドカレーに代表されるスパイス......。

   それらすべてを含んだのがインド伝統医学の「アーユルヴェーダ」だ。直訳すると「生命の科学」。アーユルヴェーダを現代科学で研究している日本の専門家がスパイスの健康効果と美味しい食べ方を紹介する。

  • インドカレーに使うスパイスの数々
    インドカレーに使うスパイスの数々
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スパイス入りカレーで何もせずに7キロ減

   アーユルヴェーダを西洋医学の立場から研究している上馬塲(うえばば)和夫・帝京平成大学教授によると、アーユルヴェーダでは人の体質は大きく分けて3つあるという。それを「風」「火」「水」で表現する。

(1)「ヴァータ」(風)タイプ=体調が乱れると便秘や冷え性、高血圧になりやすい。性格は快活で機敏。

(2)「ピッタ」(火)タイプ=消化器系のトラブルになりやすい。性格は情熱的でチャレンジ精神が旺盛、怒りっぽい。

(3)「カパ」(水)タイプ=肥満や糖尿病になりやすい。性格は穏やかで辛抱強い。

上馬塲教授「カラダを作る要素と心の要素には相互間関係があり、体質が決まると心の性格が影響を受けると考えられています。その人ごとに違う個性があり、その個性に従って食事、運動をしていくというのがアーユルヴェーダの考え方なのです」

   番組では、日本女性がインド人と結婚した神奈川県相模原市の一家を訪ねた。奥さんの麻衣子さんと夫のシャンムカさん、娘さんの3人家族だ。麻衣子さんは10年前に結婚してからインド料理を学び、毎日カレーを食べている。キッチンには、カレーをはじめ様々な料理に使う20種類以上のスパイスが入った大きなビンが並ぶ。こうした料理を食べ続けた結果、麻衣子さんの体に大きな変化があった。72キロあった体重が65キロに減ったのだ。

麻衣子さん「結婚前は頑張ってダイエットを色々やっていましたが、成功しませんでした。今は何もしないのに体重は減ってくれるのです。運動は苦手で全然していないんですけど(笑い)」

   そしてシャンムカさんも娘さんも、風邪をひいたり薬を飲んだりすることはほとんどない。シャンムカさんいわく「ワイフが家のドクターですね」。このように「食で病気を未然に防ぐ」のがアーユルヴェーダの基本だ。

ウコンのクルクミンが寿命を60%も延ばす

   インドのスパイスを研究している中谷延二・大阪市立大学名誉教授が最も注目しているのがスパイスの抗酸化作用だ。

中谷教授「あらゆる病気は、体の中に活性酸素が出てくることで引き起こされます。また、体を老化させていくのも活性酸素です。その活性酸素を打ち消す抗酸化作用をスパイスが持っています。中でもとくに強い抗酸化作用を持つものとして注目しているのがターメリック(日本名ウコン)に含まれるクルクミンという成分です」

   クルクミンが体内に入ると、「テトラヒドロクルクミン」という物質に変化する。これが非常に強い抗酸化力を持つのだ。マウスにテトラヒドロクルクミンを投与し生存率を調べた実験では、投与したマウスは投与しなかったマウスに比べ、約1.6倍も長生きした。スパイスは、おいしく食べる調味料だけでなく、若さを保つ「クスリ」でもあるのだ。

   暑い夏を乗り切るためにインドのスパイスは大きな力を発揮する。循環器の専門医でインドのスパイスにも詳しい石川義弘・横浜市立大学教授が、夏にカレーを食べるとよい理由をこう説明した。

石川教授「インド料理で汗をかき、上手に胃腸の機能を刺激し、食事をとれるようにするのが夏バテ対策の1つです。たとえば、お腹が疲れているな、食欲がイマイチだなと思ったらショウガをたくさん入れる。ショウガには胃腸運動を促進させ食欲を増進させる作用があるのです」

   スパイスが暑い時に体にどんなによい影響を与えるか調べるため、温度と湿度をコントロールできる人工気象室で実験した。温度30度、湿度60%の室内で、女性2人にそれぞれ、スパイスたっぷりのカレーと冷やし中華を食べてもらった。カレーの女性はたくさん汗をかいた。一方、冷やし中華はいかにも涼し気だが、2人の体温を特殊な機器で測ると、スパイスの人の方が表面温度は低かった。汗をかいたからだ。しかし、真のスパイスの力はここからだ。体の中心部分の体温を比べると、逆にスパイスの方が高かった。

体表を冷やし内側のエネルギーをしっかり燃やす

   体の表面は冷やし、内側のエネルギーをしっかりと燃やす。これがインド・スパイスの威力なのだ。これが体の代謝を高め、健康長寿につながり、なおかつダイエット効果を高める結果になっている。さて、このスパイスを上手にとるにはどうしたらよいか。番組では、インド料理を覚えなくても、手っ取り早く料理に使える上馬塲教授ら監修の「スパイス・ふりかけ」の作り方を紹介した。お好みの料理にふりかけるだけでダイエットなど健康効果が期待できる。ただし、スパイスのとり過ぎは血圧が上がりやすくなるなどの副作用がある。1日3グラムを目安に、とり過ぎには注意したい。また、薬を飲んでいる人は医師に相談してほしい。以下のようにスパイスの分量をしっかり測ってブレンドする。

【ダイエット効果・スパイスふりかけ】

●材料:黒こしょう30グラム、長こしょう30グラム、ジンジャー30グラム、ターメリック3グラム、フェヌグリーク6グラム、フェンネル9グラム、クミン3グラム、岩塩3グラム。

【便通改善&美肌効果・スパイスふりかけ】

●材料:ジンジャーパウダー15グラム、長こしょう15グラム、黒こしょう15グラム、アサフェティダ(ヒング)3グラム、ココナッツファイン9グラム、岩塩3グラム。

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