JDIの再建へ見方真っ二つ 「本腰入れた」VS「時すでに遅し」

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   ジャパンディスプレイ(JDI)の経営再建が、大きな曲がり角にさしかかっている。国内外の工場統廃合と3700人の従業員削減を盛り込んだ中期経営計画(2017年8月9日発表)に対し、金融市場で「JDIがようやく経営再建に本腰を入れた」と好意的に受け止める向きがある半面、「時すでに遅し。もはや再生は難しいのではないか」との懸念も広がる。本格的な経営改革に乗り出した形だが、残された時間はきわめて少ないといえそうだ。

   「JDIにとってこれはラストチャンス。最後の日本の底力を見せるチャンスだ」。記者会見の最後に、東入来信博・会長兼最高経営責任者(CEO)は自ら切り出す形でこう語った。

  • JDIの再建を巡る見方は…(画像はJDIの公式サイトより)
    JDIの再建を巡る見方は…(画像はJDIの公式サイトより)
  • JDIの再建を巡る見方は…(画像はJDIの公式サイトより)

有機EL転換への対応

   JDIの2017年3月期決算では、最終損益は316億円の赤字だった。今回の再建策に合わせて18年3月期に1700億円程度の損失を計上する予定で、4期連続で最終赤字に陥る可能性が高い。

   経営難の大きな要因は、自前の液晶技術にこだわって市場の変化を読み誤り、スマートフォンの有機EL転換への対応が遅れたことだ。

   売上高の5割超を依存する米アップルが、2017年出荷のスマホ「iPhone(アイフォーン)」から、液晶パネルにかえて有機ELを採用する見通し。18年以降は有機EL比率を一気に高めると予想されており、液晶パネル一辺倒だったJDIには大きな痛手だ。東入来会長は「有機ELなくしてスマホビジネスに将来はない」と述べ、有機ELへの転換を急ぐ方針を示した。だが、有機ELへの転換だけでは十分ではない。

   JDIは2012年4月、日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合して誕生した。筆頭株主は35%を出資する政府系ファンドの産業革新機構。大手3社の寄り合い所帯であるうえ、「国策会社」であることの足かせもあり、経営幹部の意見はバラバラで、改革は常に後手に回ってきた。

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