【この差って何ですか?】(TBS系)2017年8月8日放送
「100歳を超えても元気な人、100人にアンケート」
今や日本は世界屈指の長寿大国だ。100歳以上の高齢者は年々増加していて、2016年には6万5692人を数えている。
番組では、100歳を超えて元気に過ごしている100人に、普段どんな生活をしているのかアンケートを実施。食生活や睡眠、健康法など、様々な共通点が見つかった。
朝食はパンよりご飯
朝食べる主食は、パンが23人、ご飯が77人と、ご飯を食べる人が圧倒的に多かった。
白澤抗加齢医学研究所の白澤卓二所長によると、パンよりもご飯の方が咀嚼(そしゃく)回数が多い。食パンを1枚食べるのに噛む回数が350回なのに対し、ご飯は茶碗一杯で600回噛んでいる。
咀嚼回数が多いと、唾液が多く分泌される。唾液の中に含まれる「ペルオキシダーゼ」という成分は、活性酸素を減らしがんを抑制する。
さらに、噛む力と下半身の力は比例していて、噛む力が強い人は転倒しにくい。多く咀嚼することで、丈夫な足腰を保てるのだ。
1日に食べる卵の数は、1個が60人、2個以上が40人だったが、白澤氏は「40%が1日2個以上卵を食べている」結果に注目した。
卵は1日2個以上食べるとコレステロール値が上がると言われていたが、2015年の厚生労働省の発表では、食べているコレステロールと血液中のコレステロールは関係ないと報告された。全く卵を食べない人と、1日5~10個の卵を5日間連続で食べた人の血液中のコレステロールを比べると、ほぼ変わらなかったという実験結果もある。
卵には肉や魚より良質なタンパク質が含まれているほか、黄身に含まれる「コリン」という成分はアルツハイマー病を予防する効果がある。117歳で亡くなった、イタリアのエマ・モラーノさんは、若い頃から1日3個以上の卵を食べ続け、100歳を超えても認知機能が低下しなかったという。
卵は糖質が少なく、血糖値も上がらない。1日2~3個食べるのが理想的だ。
バニラアイスやチョコを積極的に食べるべし
「1週間に3日以上食べている食べ物」を聞くと、1位が豚肉(78人)だった。
豚肉は、高齢者に必要な体力や免疫力を上げ、血管を丈夫にするビタミンB1が豊富だ。
ビタミンB1は水溶性で、しゃぶしゃぶなどでゆでると煮汁に、炒めても油に溶け出してしまう。豚肉が衣に包まれてビタミンB1が流れ出ない、「トンカツ」などの揚げ物で食べるのがベストだ。
一方、若い人は油の摂(と)りすぎが気になるので、揚げるより焼く、焼くよりゆでる調理法がオススメ。60~65歳を境に食べ方を切り替えるとよい。
100歳以上の元気な高齢者の約80%が、毎日おやつを食べている。最も多かったのはまんじゅうだが、白澤氏は2位のアイスクリームに着目した。
アイスクリームの中でもバニラアイスを食べている人が多かったのだが、バニラアイスの主な原料は牛乳だ。小さい1カップのバニラアイスで1日に必要なカルシウム摂取量の4分の1を摂れ、骨粗しょう症予防の効果が期待できる。
3位にはチョコレートがランクインしたが、こちらもカカオポリフェノールが動脈硬化を抑制し、認知症予防効果もある。白澤氏は「積極的に摂ってもらいたいおやつ」と勧めた。
カラオケで認知機能を保つ
寝る時は、柔らかい枕を使っている人が35人、硬い枕が65人だった。
人間は1日20~30回寝返りを打っている。寝返りは滞っていた血行を良くしたり、背中の熱を逃がしたりする効果がある。
柔らかい枕だと頭が沈み込んで固定されてしまい、寝返りを打ちにくくなる。結果いい睡眠が取れなかったり、起きた時に疲れが残ったりする。硬い枕も長寿に一役買っていそうだ。
100人が回答した健康や老化防止のために心がけていることのうち、白澤氏が注目したのが「毎朝コーヒーを飲む」「オシャレをして外出する」「カラオケ」「日記を付ける」の4つだ。
コーヒーには肝臓がんを抑制する効果が期待されている。
「オシャレ」は「若返りホルモン」の分泌に関係がある。イタリアで最近発表された論文では、恋をすると若返りホルモンの数値が高くなり、倦怠期になると下がるとされている。恋愛、すなわち「ときめき」が若返りを促進するというわけで、オシャレしてウキウキしながら出歩けば、認知症予防効果も期待できる。
カラオケは脳の広い範囲を刺激する効果がある。画面を見ながら歌詞を追うと「後頭葉」、リズムに合わせると「側頭葉」、歌う時は「前頭葉」が刺激され、高齢期の認知機能を保つのに一役買う。
友人と一緒にカラオケで楽しむと、幸せホルモンの「エンドルフィン」が分泌され、うつ病も防ぐ。介護予防のため、公民館でカラオケ大会を催す自治体もあるほどだ。
日記を付けると、1日の記憶を呼び起こすことで認知症の予防になる。