【健康カプセル!ゲンキの時間】(TBS系)2017年8月13日放送
水の中でゆらゆらするだけ!劇的変化!カチコチ関節リセット術
運動が三日坊主になる本当の理由は「関節」にある。年齢を重ねると関節が硬くなり、可動域が狭まる。すると思うように動けず運動がおっくうになってしまうのだ。
そんな体に今注目なのが水中運動だ。水中は硬くなった関節をリセットできる最高の環境。しかも体を楽に動かせるため運動が長続きする。理想的なのはプールでの運動だが、たった5分で肩こりや腰痛、ひざ痛が改善する効果抜群の「お風呂ストレッチ」も紹介する。
水中では血流が速くなり、インナーマッスルが鍛えられる
番組では冒頭、陸上と水中の運動効果を比較するためにクイズが出された。同じ1時間のウォーキングでも陸上の消費カロリーは「150キロカロリー」だが、水中ウォーキングは次のうちどれか。「160」「220」「360」。正解は「360キロカロリー」。2.4倍である。
水中運動の健康効果を長年研究している須藤明治・国士舘大学教授が水中運動のメリットをこう解説した。
須藤教授「まず、浮力で体重が軽くなります。関節への重力も減りますから肩こりや膝の痛みも減り、可動域が広がり、全身の関節をスムーズに動かせるのです。陸上と同じ速さで水中を歩くと、約28倍の抵抗を受けるので筋力が効率よくアップします。陸上では体の表面の筋肉しか使いませんが、水中では重力が少ないので、体幹の筋肉(インナーマッスル)も鍛えることができます」
たとえば肩の筋肉だと、腕の重みを支えるために表面の筋肉がいつも張っており、それが肩こりの原因になる。しかし、水中では支える必要がないため、表面の筋肉は使わない。水中で腕をゆらゆら動かすだけでインナーマッスルが働き、血流が促進される。肩の奥深くに溜まった老廃物が流され、肩こりが改善されるという。いかに水中運動が血流をよくするか、須藤教授は実験を見せた。番組スタッフが2人、プールサイドで血流の速さを測った。次に水中に約10分間入り、立ったままで何の運動もしないまま再び血流の速さを測ると、それぞれ約1.5~2倍の速さになっていた。
須藤教授「水圧が全身にかかるので、それがポンプの働きをして動脈が心臓に血液を送る量が増えるのです。そのため心臓の負担が減り、心拍数や血圧が下がるという嬉しい効果が現れます。よくプールに入った時に、ブルブルッと尿意を感じることがありますね。あれは、水圧によって血液が足のほうから体幹に上がり利尿ホルモンが分泌されるからです。血流が良くなっている証拠です」
ぬるま湯でリラックスしながら手足を動かす
須藤教授は、自ら考案した「アクア・リセット・トレーニング」(ART)を紹介した。水中で様々な動きをして、肩こり、腰痛、ひざ痛を改善するエクササイズだ。しかし、なかなかプールに行けない人は多い。そんな人のために自宅のあまり広くない風呂でもできる「お風呂ストレッチ」(バス・リセット・ストレッチ=BRS)の方法も紹介した。湯船で行うと体が温まり筋肉がほぐれる。血流がよくなり、血圧も下がり、副交感神経が優位になる。そして、唾液や胃液の分泌も良くなり、老廃物が除去されて健康効果が高まるという。
それぞれ湯船の中で5分間ずつ、夏は36~39度くらい湯温で、冬もぬるめがよい。まず、風呂に入ったら3秒程度かけ鼻から息を吸い、6秒かけて口からゆるゆると息を吐く。リラックスした状態が得られるまで3~5回繰り返す。
【肩こり改善のゆらゆらストレッチ】
(1)肩までお湯に浸かった状態で、右手を右肩に、左手は左肩につけたまま肩を大きくグルグルと5回ずつ回す。
(2)次に湯船の中で合掌のポーズをとる。そのまま手のひらを前へ突き出すように伸ばし、息を吸いながら戻し合掌ポーズに。
(3)今度は合掌のポーズから、両手のひらを上にして同じく前に伸ばしてから戻す。これを2~3回繰り返す。肩甲骨を開くことを意識する。(2)と(3)では、腕をひねることを意識すると肩のつけ根が90度回転しほぐれる。
【腰痛改善のゆらゆらストレッチ】
(1)片足を突き出し、左右に同じふり幅で振り子運動をする。これを左右の足10回ずつ3セット行う。お尻のインナーマッスルの中殿筋が鍛えられ、骨盤のバランスを改善する。
(2)次に片足を曲げて膝を抱え込み、息を吐きながら体を倒す。背中とお尻の筋肉をリラックスさせる。1回5秒程度、左右5回ずつ行なう。
【ひざ痛改善のゆらゆらストレッチ】
(1)サッカーボールを上に蹴りあげるような動作をする。この時なるべく足を真っ直ぐに伸ばす。ももの筋肉を鍛えられ、ひざの関節が安定する。
(2)片足ずつ左右5回3セット行なう。