足は冷たいのに上半身は熱い 「冷えのぼせ」で夏バテ悪化

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【名医とつながる!たけしの家庭の医学】(テレビ朝日系)2017年7月25日放送
「夏バテ体質が判明!」

   猛暑続きの毎日、外出すると汗だくになり、エアコンの効いた室内や電車内に入るとホッとひと息つける。だが、冷房で涼しくなっている場所に長時間いると、逆に寒くて耐えられなくなる人も。

   実は体の冷えは、夏バテと関係があるようだ。特に「下半身型冷え症」の人は要注意。

  • 夏バテ、つらい…
    夏バテ、つらい…
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上半身と下半身で体温に差が出た

   番組ゲストの千葉大医学部付属病院和漢診療科長、並木隆雄氏は近年、患者を診察する中で夏に不調を訴える人に特定の体質があることがわかってきたと話した。その特徴を見つけるため、簡単な問診を行った。質問は6つだ。

1. 湯船に長く浸かれない
2. 眠りが浅い
3. よく手に汗をかいている
4. 冷房をつけると足が冷える
5. あせりやすい
6. ちょっとした事でかっとしてしまう

   このうち3つ以上当てはまると、夏バテ体質「下半身型冷え症」の可能性が高い。冷房の効いた部屋にいるだけで、異常な体温の変化を起こすという。

   3人の女性で検証実験を行った。2人は下半身型冷え症で、もう1人はあまり冷えを感じない人だ。エアコンで室温を24度に設定した部屋に30分間滞在してもらい、10分ごとに体温を計測した。

   開始から20分過ぎると、冷え症の2人は足先が2.5度低下したが、残る1人は0.1度マイナスにとどまった。その10分後、冷え症の2人に「異変」が起きた。足の温度は変化しなかったが、「上半身が熱い」と証言したのだ。サーモグラフで見ると、足は温度低下を示す青でそまっているのに、腹部は逆に温度が高い状態である赤になっている。上半身と下半身の体温を比較すると、ひとりは5.3度、もうひとりは8.5度も差が出ていたのだ。

エアコンオフにしたのに微熱状態に

並木氏「下半身に行くべき熱が上半身にとどまってしまって、『冷えのぼせ』の状態になっている」

   冷えのぼせは、こう考えられている。下半身の自律神経が過剰に反応して血管を必要以上に収縮させる。すると、体の熱が足に運ばれない。上半身の熱は下半身に向かえず、行き場を失うため上半身の体温が高くなるという。

   検証終了後、室内のエアコンをオフにした。すると、冷えのぼせが解消されるどころか、悪化。おでこは37度と、微熱が続いている状態になったのだ。一度過剰に反応した自律神経は、その反応を止められず、さらに血管の収縮を進める。すると下半身はさらに冷え、上半身は熱を貯めてしまった。この状態で、気温30度を超える外に出たら、上半身や脳の温度はますます上昇するとみられる。めまいやボーっとする症状が現れ、過剰な発汗で脱水症状となり、筋肉の機能低下と、夏バテ症状が出ると考えられるという。

   冷えのぼせから脱却するには、体質改善が必要だ。家庭で簡単に実践できる方法のひとつに、ツボ押しがある。スタジオで紹介されたのは、次の通り。

1. 「血海」。ひざのお皿から指3本内側の場所。気持ちが良いと感じるところは優しく、固いところは血流が悪くなっているので、少し強めに押す。1回10秒が目安。
2. 「太渓」。足の内くるぶしとアキレス腱の少し凹んだところ。下半身や腹部の血流改善につながる。
3. 「八風」。足の指の間の付け根で、左右4か所ずつ、計8か所。足先の冷えに即効性があるので、刺激するとすぐにあたたまる。

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