視聴者が「もらい泣き」したインタビュー
その後も海外メディアのインタビューに応じるなど毅然と振る舞っていた松山選手に対し、戸張さんは「相当悔しいと思うな」としながらも、
「やっぱり今の世界のツアーの中で最も注目されている選手のうちの一人だから、こういうどんなみじめな時でもいやな時でもインタビューに答えるというのも彼の義務の一つであると思いますね。(中略)インタビューに答えるっていうのはメディアの向こうにいるゴルフファンに対して色んなメッセージを伝えていくということですから、それはやらなくてはならないことだと思いますね」
とプロの定めを説く。
悔しさをにじませながらも取材に応えていた松山選手だが、日本唯一のゴルフ専門チャンネル「ゴルフネットワーク」のインタビューでは何度も涙をぬぐった。思いが溢れて言葉にならない様子の松山選手に対し、プロキャディ・杉澤伸章さんは「やっぱり悔しいですよね」と胸中を思いやり、こうメッセージを送った。
「メジャーの3日目で最終組まわったりとか、1打差で4日目を迎えるとかっていうのは、ひとつの幕開けだと思うんですね。だからそういう意味では、本当に日本のゴルフファンの人もありがとうって言葉すごく来てるし、そういう感謝の思いがたくさんあると思うんですね」
それを聞いた松山選手は「悔しいです」と思いを明かし、杉澤さんは、
「多分みんなも同じ思いだと思います。でもこの悔しさが必ず笑えるというかね、なにかを掴み取る時があると思いますのでぜひ頑張ってください」
と締めくくって、次の取材へ向かう松山選手の背中を押して送り出した。
これには視聴者も、
「ゴルフネットワークの杉澤さんのインタビューで遂に涙腺崩壊。観てるこちらももらい泣き」
「ゴルフネットワークの杉澤さんの気持ちを汲んだインタビュー見て泣いてしまった松山見てもらい泣きしました」
「ちゃんとファンの気持ちを代弁してくれて嬉しかった。ありがとう!」
などとツイート。
松山選手は続けて米ゴルフ専門チャンネル「Golf Channel」のインタビュアーであるプロゴルファー・レックス倉本さんと握手を交わした直後にしゃがみ込んでしまったが、しばらくするとすっくと立ち上がってインタビューに答えていた。