北朝鮮が中距離弾道ミサイル(IRBM)「火星12」でグアム周辺を攻撃する方針を明らかにしている問題では、ミサイルは中四国地区の上空を通過する予定だと主張している。そこで問題になりそうなのが「日本に落ちてきたとき、きちんと迎撃できるのか」。これに加えて、仮に迎撃に成功したとしても「破片が飛んできて、迎撃も危ない」といった声もあがっている。
この問題は、過去の国会答弁でも同様のやり取りが行われており、実は「古くて新しい問題」だ。
「打ち落としても問題になるし、そのまま間違えて落っこってきても問題になる」
日本のミサイル防衛は、大きく(1)イージス艦搭載の迎撃ミサイル「SM3」、(2)地上配備型迎撃ミサイル「PAC3」の2段構えだ。それぞれ大気圏外の上空数百キロ、地上に近い上空数十キロで迎撃することを想定している。北朝鮮の声明を受け、出雲(島根)、海田市(広島)、松山(愛媛)、高知(高知)の各駐屯地でPAC3の配備が完了している。
ただ、8月10日放送の情報番組「ひるおび!」(TBS)では作家の室井佑月さん(47)が腑に落ちない様子で、こんな疑問を投げかけた。
「迎撃ってしたらいいってもんじゃなくて、下に地面がある場合、破片がどこに飛んでくるか分からないわけですよね?」
コメンテーターとして出演していた軍事・情報戦略研究所所長の西村金一氏が、
「命中したら必ず破片は落ちてくる」
と解説すると、室井さんは、
「そうですよね? だから日本の国土の近くでやったら破片が飛んできて、迎撃も危ない」
と、さらに疑問を深めた。西村氏は次のように、迎撃時の落下物のリスクを認めながらも、迎撃しない方が被害が大きくなることを説明した。
「一番いいのは対馬沖にイージス艦を置いて、そこでSM3で打ち落とすのが一番いいが、その辺でも日本に破片が落ちてくる可能性はある」
「打ち落としても問題になるし、そのまま間違えて落っこってきても問題になるわけですから、どちらが被害が少ないかというと打ち落とした方がいいので打ち落とす」