利益率は低迷
日産は、連合の販売台数を7月27日にリリースした。半期ベースで連合の台数をまとめ、トップに君臨するカルロス・ゴーン氏の談話までつけた異例の対応だ。副題で「拡大したアライアンスは2017年年間販売台数で業界トップの自動車グループへ」とアピールした。またEV累計販売台数は48万1151台となり、「量産EVセグメントにおけるトップ自動車グループとしての役割をさらに確立した」と自賛した。ゴーン氏は「引き続きアライアンスのスケールメリットとグローバル市場におけるプレゼンスを活かして、パートナー企業に貴重なシナジー効果をもたらす」とのコメントを出した。
ただし、喜んでばかりはいられない。販売で世界一になっても、利益率は低迷しているからだ。国内大手乗用車メーカー7社のうち、2017年4~6月期の売上高営業利益率トップはスバルの約14%。以下、スズキ、トヨタ、ホンダが9~7%台で続く。これに対して日産は5.6%とかなり離されており、「病み上がり」の三菱は最下位の4.7%にとどまる。
日産は2011年度に策定した経営計画「日産パワー88」で、計画の最終年度である2016年度に売上高営業利益率と世界シェアをともに8%とする目標を掲げたが、どちらも達成できなかった。販売台数トップといっても、浮かれてはいられないことは、ゴーン氏が一番よく知っている。