無責任な噂で集団パニックに
しかし、これほど多くの人たちが同じような被害を訴えるのはなぜなのか。米「タイム」誌の取材の中で、全インド医科大学(AIIMS)精神医学部のスディール・カンデルウォール教授は「集団パニックだ」と指摘する。
教授は過去にもインドではサルの怪人に襲われたと数百人が被害を訴えた事件や、海水が甘くなるといううわさが流れ人々が海に殺到した例を挙げ、
「大勢の人間がいる環境では、緊張や不安を感じさせる事件は無責任に広められ、さらにパニックを広げていく」
と警告。「解決するには幽霊や魔女に髪を切られたというような噂を広めないこと」と答えている。
日本でも集団パニックは規模こそ小さいもののしばしば起きている。2013年には兵庫県で女子高生18人が次々に過呼吸となり救急搬送する事件があったほか、2006年にも千葉県で女子中学生11人が体調不良で連鎖的に倒れる事件が確認されていた。