熱戦が続く夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)で、興南高校(沖縄)のアルプススタンドから聞こえてきた1曲の応援歌が注目を浴びた。
それは「ハイサイおじさん」。沖縄出身のミュージシャン・喜納昌吉さんの代表曲の1つだが、同時にお笑いタレント・志村けんさんの持ちネタ「変なおじさん」の元になった曲でもある。
「ハイサイおじさん!これを待ってた県民!」
興南は2017年8月11日、1回戦で智弁和歌山(和歌山)と対戦。3回に一挙6点を奪うも4回以降に失点を重ね、6対9で敗れた。試合はもちろんだが、注目されたのは興南の応援だ。
「ハイサイおじさん投入」
「沖縄の学校と言えばやっぱりこの応援歌」
「ハイサイおじさん聞けて、大好きな興南見れて、幸せすぎました」
「ハイサイおじさん!これを待ってた県民!!!こっからやぞー!」
ツイッター上では試合中からこんな投稿が相次いだ。「ハイサイおじさん」を奏でる応援団の動画も現地のユーザーから複数アップされており、軽妙なリズムの吹奏楽の演奏と、それに合わせて入る「ハイーヤ」という合いの手や指笛の音が、試合を大いに盛り立てた。
どちらが原曲か分からない人も
一方、「ハイサイおじさん」の替え歌である「変なおじさん」もまた有名で、原曲よりも「変なおじさん」を先に思い浮かべたユーザーもいたようだ。ツイッターではこんな書き込みも多い。
「変なおじさん~変なおじさん~ほんとにほんとにへんなおじさん~にしか興南の応援聞こえん」
「甲子園の演奏いろんな曲があって面白い 変なおじさんとか」
「甲子園が変なおじさん♪」
「興南の応援歌が変なおじさんなんだけど」
また、「『ハイサイおじさん』を聴くと『変なおじさん』だと認識する人の方が僕の周りも多いと思う」と、両曲の知名度について考える投稿もあった。
心躍るメロディの「ハイサイおじさん」は沖縄県代表校の応援歌としてたびたび用いられるが、2010年に騒動があった。当時の報道によると、「歌詞が酒飲みのおじさんを題材としたものであるため高校野球の応援歌としてふさわしくない」という意見の投書が2010年7月の沖縄タイムスに掲載され、これを理由に10年夏の甲子園で沖縄代表校だった興南の野球部OB会が使用を自粛した。だが今大会では、特に指摘を受けることはなかったようだ。