足が食べられるのはまれ
ミュージアム・ヴィクトリアのフェイスブックページによると、端脚類は1万種以上が存在する生物で、世界中の海で確認できるという。
ということは、日本を含め世界中の海でカニザイさんのように食べられる可能性があるのか気になるが、ウォーカースミス博士は「極めてまれなケース」としている。
端脚類は前述のように腐肉食で水中を泳いでいる生物を襲うことはない。まして、人間のように泳ぐために激しく動く生物には近づこうともしないため、食べられるといったことはまず起きないようだ。
ではカニザイさんが食べられたのはなぜか。ウォーカースミス博士は海水の温度と「足を浸していた」という行為が問題だったのではないかと推測している。
「冷たい海水で冷やされて、しかも動くことのない足は端脚類からすると肉の塊だったでしょう。普通は咬まれれば気がついて足を動かし、端脚類も離れていくはずですが、カニザイさんは冷えて感覚が麻痺しており、30分も浸したままだったことで、これほどの事態になったのでしょう」
端脚類に足を食べられるかもしれないと考え、海水浴を避ける必要はなさそうだ。