JR九州社長「郷愁ばかりで鉄道残すのは...」 ローカル線の未来と「輸送密度」の現実

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インフラ維持のあり方について「地元の人と一緒に考えないといけない」

   青柳社長は記者会見で、利用が少ないローカル線について

「これから先は、すべてJRが面倒を見るということでは済まない」

と発言。路線網を維持することの重要性は強調しつつ、交通手段としては鉄道よりも自動車が主流になっているとして、社会資本として鉄道か自動車のどちらかを維持していくのが適切かについて

「地元の人と一緒に考えないといけない」

とした。交通ネットワークは使い方や「身の丈」に合ったものを確保することが重要だとして、

「郷愁ばかりで鉄道を残すのは、社会にとって本当にプラスなのか」

とも述べた。

   どの路線について議論を進めるか、議論を始める時期については言及しなかった。

   経営難のJR北海道は16年11月、輸送密度が200人未満の区間については「鉄道より他の交通手段が適している」として、バスなどへの転換を図る方向で地元と相談を始める方針を表明。輸送密度200人以上2000人未満の区間については(1)利用者の少ない駅を廃止するなどしてコスト削減(2)運賃値上げで利用者が負担する(3)沿線に利用促進策を行ってもらう(4)運行会社と鉄道施設の保有会社を分ける「上下分離方式」を導入する、という4つの方向性を示している。

   JR九州では、日田彦山線(城野~夜明、68.7キロ)や後藤寺線(新飯塚~田川後藤寺、30.0キロ)など7路線が「輸送密度2000人未満」だ。

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