「駅構内での撮影を禁止して欲しい」「撮り鉄を社会から追放しましょう」――。あるツイッターユーザーのこんな呼び掛けを発端に、一部鉄道ファンの「マナー問題」がネット上で再び議論の対象となっている。
「撮り鉄追放」を訴えたユーザーの元には、鉄道ファンらから「ふざけんなよ」「差別すんじゃねえ」など怒りのリプライ(返信)が殺到。一方、投稿者の訴えに共感するユーザーの姿も目立ち、主張の賛否をめぐって激しい意見が交わされている。
「そんなに言うなら鉄道使うな」
議論の発端となったのは、あるツイッターユーザーの2017年8月7日の投稿だ。JR宇都宮駅で新幹線を降りてホームを歩いていたところ、鉄道写真の撮影を趣味とする「撮り鉄」らしき人物に「邪魔だ」との暴言を吐かれたとして、
「駅構内での撮影を禁止して欲しい」
などと訴える内容だ。その上で、「皆で力を合わせて迷惑行為(撮り鉄)を社会から追放しましょう」とも呼び掛けている。
ただこのユーザーは日頃から、他者への誹謗中傷や不謹慎な内容のツイートを繰り返しており、ツイッター上では、今回の投稿の「信憑性」に疑問を投げかける声や、いわゆる「釣り」目的ではないかとの指摘も出ている。
とはいえ、鉄道ファンの「追放」を呼び掛けたツイートがネット上の注目を集めたことは確かで、投稿者の元には賛否両論さまざまな意見が殺到する騒ぎとなった。
まず目立つのが、鉄道ファンとみられるユーザー達による怒りの投稿だ。投稿者の訴えは、鉄道ファンへの偏見に基づくもので誹謗中傷にあたる、などとして、
「差別するな!そんなに言うなら鉄道使うな」
「鉄オタを差別するのをすぐにやめてください。迷惑な鉄オタはほんの一部です」
「観光地で記念写真を撮るときに人が入り込んできたら嫌ではありません?イライラするのはわかりますが、言い過ぎだと思います」
「俺たちの趣味をアンタに追放だの言われる筋合いはねぇよ」
などのリプライを投稿者の元に寄せている。また、こうした批判的な投稿をしている人の多くは、アカウントのプロフィール写真を鉄道の画像にしている。
「ルールを設けた方が良いと思う」
ただ、「撮り鉄」のマナーをめぐっては、過去に全国各地でさまざまなトラブルが起きていることも確かだ。
例えば、栃木県の真岡鉄道で線路脇の菜の花畑が踏み荒らされたり、JR車両のタイフォン(警笛を鳴らす装置)に勝手に接着剤を塗りつけたり......。このように、一部の鉄道ファンの迷惑行為が問題となった事例はいくつもある。
こうした過去のトラブルを引き合いに、投稿者の主張に共感するユーザーの姿も目立っており、
「わかる気がする、確かに私も駅構内での撮影は禁止して欲しい」
「周りの迷惑に歯止めがかからないなら、規制やむなし」
「三脚禁止や乗客最優先などのルールを設けた方が良いと思う」
といった賛同意見も。なかには、投稿者の元に批判が殺到する様を踏まえて、「な?鉄オタのこの人へのツイートを見れば排除すべきとしか思えないやろ?」と揶揄するユーザーも出ていた。
賛否の大きく分かれた意見が交わされる中、議論の発端となる投稿を寄せたユーザーは8月10日昼、ツイッターを再び更新。「拡散希望」のハッシュタグを添えて、
「お盆とお正月の前後1週間主要駅構内での写真撮影を自粛して下さい。駅構内の混雑緩和と、撮り鉄様を拝見するだけで気分が悪くなる一般の方々への配慮をお願いいたします。マナーでもあります」
と、再び鉄道ファンを揶揄するような投稿を寄せていた。