北朝鮮が核弾頭の小型化に成功したという米紙の報道を機に、米国のトランプ大統領と北朝鮮の脅し合戦が激化している。トランプ氏は、北朝鮮がさらに脅威を増せば「世界がこれまで見たことがない炎と猛威に見舞われる」と警告、するとその直後に北朝鮮側が、グアムの米軍基地への攻撃を検討していると脅し返した。
日本にも矛先は向けられ、「日本列島などは、あっという間に焦土化できる」と戦力を誇示した。
米本土に届くICBMを予想以上のペースで開発
ワシントン・ポストは2017年8月8日(米東部時間)、北朝鮮が核弾頭をミサイルに積める程度に小型化することに成功したとする分析を米国防情報局(DIA)がまとめたと報じた。分析は17年7月に行われたといい、同紙では
「米国の当局者は7月、北朝鮮が米国本土に届きうる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を予想を上回るペースで開発していると結論付けている」
と伝えている。
これまで「米国に届くかどうか」が、トランプ氏の許容範囲を示す「レッドライン」だと考えられてきた。「レッドライン越え」の可能性が高まったことで、トランプ氏も激しく反応した。トランプ氏は休暇先のニュージャージー州のゴルフクラブで記者団を前に、
「北朝鮮はこれ以上米国への脅威を増やすべきではない。世界がこれまで見たことがない炎と猛威に見舞われるだろう」
と発言した。トランプ氏は先制攻撃も選択肢だとしてきたが、これまでになく「身も凍るような表現」(ニューヨーク・タイムズ)で懸念を表明したともいえる。