日本国内各所で行われている弾道ミサイル飛来時の住民避難訓練の様子を、英BBC放送が全世界に向け発信したとし、ツイッターなどで、「完全に国際社会の笑い者」などといった声があがった。
空襲警報を思わせるサイレンが鳴ると子供たちは逃げ回り、老人たちは頭を抱えその場にうずくまり、壁に隠れたりしたため、「何の対策になるのか?」「70年前の戦時中か?」といった指摘も出た。この放送を見た外国人からは、米ソ冷戦時代を思い出した、とか、アメリカが1950年代に子供むけに作った民間防衛フィルムを思い出す人が続出した。
雑草生い茂る場所で頭を抱えうずくまる老人たち
2017年8月7日付のBBC日本語電子版は、70年以上前の第2次世界大戦時以来、日本沿岸各地でミサイル攻撃に備えた避難訓練が行われている、と報じ、その訓練の様子を動画でレポートした。山形県酒田市で17年6月9日に行われたもので、まず空襲警報のようなサイレンが鳴り、
「ミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難してください」
というアナウンスが流れると子供たちは逃げ回り校舎内に入って行く姿が映った。そして、雑草が茂った場所で頭を抱えてうずくまる数人の老人の姿、腹ばいに寝て頭を抱える人の姿、壁の後ろに心配そうに隠れ様子をうかがっている老人の姿があった。訓練後インタビューでは、
「落ちたら何もならないんですけど、まず、どういうものかなぁ、と思って来ました」
「窪地の中に隠れる、ブロック塀に避難するということで、果たしてミサイルが飛んできたときに、効果があるのかどうかと思う」
と参加した住民は語っていた。
各地で行われているこうしたミサイル攻撃に備えた避難訓練についてネット上では、避難の仕方が前時代的すぎる、諸外国ではシェルターを用意している、などといった指摘が出るとともに、北朝鮮のミサイル発射実験で住民が右往左往させられる姿を晒すのはみっともないという怒りが噴出しているため、
「あーあーあーBBCが、あの馬鹿馬鹿しい避難訓練の様子を動画付きでレポートしちゃったよ。完全に国際社会の笑い者」
などといったことがツイッターに書き込まれ大騒ぎになった。BBCの公式ツイッターには、このニュースを見たという外国人が、
「すべての国はこれらの訓練の無益さを知っているだろうと思います」
「キューバ ・ ミサイル危機における小学校のドリルを思い出させる。私たちの世代は、政府は無能だということを実感しました」
などといったことが投稿され、特に、米ソ冷戦時代や、1950年代の子供向けの民間防衛フィルム「ダック&カヴァー(さっと隠れて頭を覆え)」を思い出したという感想が多くあった。