オバマ政権末期の方が増加幅が大きい
米労働統計局の統計では、トランプ氏の大統領就任後の6か月で増えた雇用は107万人。ところが、オバマ政権の最後の6か月で増えた雇用は108万人で、トランプ政権よりもわずかに多い。そのため「雇用情勢はオバマ政権末期の状況が続いている」に過ぎず、雇用創出はトランプ政権の成果ではない、というわけだ。
「消費者景気は16年ぶりの高水準」という点にも「裏付けがない」と指摘。米民間調査機関「コンファレンスボード」が7月25日に発表した7月の米消費者信頼感指数のうち、「現況指数」が16年ぶりに高水準だった。トランプ氏側の動画ではデータの出典がないため正確なことは分からないが、この「現況指数」を念頭に置いていた可能性もある。ワシントン・ポストは、ミシガン大学が1952年から調査している消費者信頼感指数では、9か月ぶりの低水準だと指摘。トランプ政権になって「(16年ぶりではなく)13年ぶり」の高水準に達したのも事実だが、オバマ政権でもほぼ同じ水準まで高くなっていたとした。つまり、(1)トランプ政権下の足元の数字は低水準(2)高水準の時期もあったが、それはオバマ政権の成果であってトランプ政権の成果ではない、というわけだ。