フジテレビ系情報番組「とくダネ!」スタッフが運営するツイッターアカウントが、一般のユーザーに送ったリプライ(返信)の内容をめぐり、「何様のつもり」「なんで上から目線なの?」といった批判を受ける騒ぎがあった。
問題のリプライは、ツイッター上に投稿された動画の「利用許諾」を求めるもの。投稿では、番組開始までに連絡がなかった場合は、了承を得られずとも放送中で動画を使用すると一方的に通告していた。実際に番組でその動画が放映されたことから、「無断使用」疑惑も持ちあがったが、実際は――?
「自分たちの都合を押しつけ過ぎ」
騒動の発端となったのは、あるツイッターユーザーが2017年8月8日深夜1時ごろに公開した一本の動画だ。台風5号の影響で、滋賀県長浜市を流れる姉川が氾濫し、住宅街まで川の水が流れ込む様子がおさめられている。
「とくダネ!」スタッフが運営するアカウントは深夜2時30分頃、動画の投稿者に対し、「撮影された姉川の映像を番組で使用させていただけないでしょうか」と利用許諾を求めた。
しかし、投稿者からの返答はなかなか来なかったようだ。その後、「とくダネ!」スタッフは早朝6時頃、同じ投稿者に対して「何度も申し訳ありません」として再び利用許諾を依頼した。
さらに続けて、投稿動画について「非常に公共性の高い映像であると認識しております」として、「『視聴者撮影』などのクレジット表記にて使用させていただけると幸いです」と投稿者へ提案。その上で、
「午前7時30分までにご連絡を取らせていただけないでしょうか?また、午前8時の放送までにご返答がない場合、上記の理由により使用させていただきたく存じます」
と通告していた。
こうしたやり取りをめぐって、ツイッターやネット掲示板では、「とくダネ!」スタッフの投稿の内容について、
「何様のつもりでこの文章を書いたんだろうな」
「なんだか上から目線の文章だなぁ。とくダネ!ってそんなに偉いの?」
「何この上から目線の厚かましさ」
との批判が相次ぐことに。さらには、深夜から早朝にかけて連絡を取ろうとする番組側の姿勢に対し、「自分たちの都合を押しつけ過ぎ」「一般的に非常識だよ」と呆れるような声も目立った。
フジテレビ「真摯に受け止め今後に活かして参りたい」
結局、8日放送の「とくダネ!」では、先の動画が「視聴者提供」とのテロップ付きで紹介された。そのためネット上では、番組側が投稿者の許諾を得ないまま放送に踏み切ったのではないか、といった疑惑も噴出することになった。
実際、一部のネットメディアやまとめサイトは、「とくダネ!」が動画を無断使用したと断定調で伝えている。こうした記事を読んだユーザーからは、
「無断使用とか、やっぱりマスゴミ...」
「無断使用についてBPOに意見を送りました」
「とくダネはYouTubeに無断転載されても文句いえない」
との声も出ており、騒動はさらに拡大している印象だ。
では、「とくダネ!」側は動画の投稿者に許可を得ていたのだろうか。フジテレビ企業広報室は8日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「投稿者の方とは『とくダネ!』放送開始前に連絡を取ることができました。台風5号の中、早朝にも関わらずご連絡を頂き大変感謝しております」
と回答。動画の内容については、「複数の地元関係者に取材し、確認作業を行った上で放送しました」とも説明した。
その上で、動画の使用許諾を求めるリプライの内容に批判が出ている件については、
「(動画の)投稿者の方に宛てた番組担当者からの投稿について、その表現への批判があることにつきましては、真摯に受け止め今後に活かして参りたいと存じます」
としていた。