女子高生の命奪った「低酸素脳症」 脳の酸素不足は数分で重篤に

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   新潟県の高校の野球部に所属する女子マネジャーが、練習場から約3.5キロ離れた学校に走って戻った直後に倒れ、意識不明で病院に搬送され入院したが、半月ほど後に亡くなった。

   死因は「低酸素脳症」とされた。どんな症状かを調べた。

  • 命を救うために一刻を争う
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原因として心筋梗塞、心停止、窒息

   新潟県加茂市の加茂暁星高校は2017年8月6日、飯沼和男校長名でウェブサイト上に次の文書を掲載した。

「去る7月21日(金)に救急搬送され入院中だった野球部マネージャー2年生が8月5日(土)夕方亡くなりました。心からご冥福をお祈り申し上げます。事故の経緯を検証し、今後このような悲しいことが起こらぬよう、対策を講じていく所存です」

   複数の報道によると、この女子生徒は普段、学校と練習場の往復ではマイクロバスに乗っていたが、7月21日はけがをした部員をバスに乗せるため、練習場から学校まで走って戻るよう監督から指示されたという。また8月6日付の朝日新聞デジタルによると、女子生徒が倒れた直後、監督は「呼吸は弱いけれどある」と判断して、救急車の到着までAED(自動体外式除細動器)は使わなかった。

   低酸素脳症について、日本救急医学会のウェブサイトに説明がある。「循環不全または呼吸不全などにより、十分な酸素供給ができなくなり脳に障害をきたした病態」で、「原因として、心筋梗塞、心停止、各種ショック、窒息などが挙げられる」。7月26日付の毎日新聞によると、女子生徒の場合も心肺停止で搬送されたという。

   心停止で脳に酸素が供給されなくなると、「意識は数秒以内に消失し、3-5分以上の心停止では,仮に自己心拍が再開しても脳障害(蘇生後脳症)を生じる」と説明されている。わずか数分で、非常に深刻な事態に陥るのだ。

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