ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない働き方「テレワーク」の導入が進みつつあるが、その際「どこで仕事をするか」は悩みの種の1つだ。
そこで新たな「職場」として開発されたのは、公衆電話ボックスのような形をした1人用のワーキングブース。問い合わせが複数あるといい、インターネット上でも「自宅にもほしい」との声があるが、「この中にコモって仕事しろって言うワケ?」と違和感も抱かれている。
「周囲を気にせずに会話ができる」
このブースの名前は「テレキューブ」。情報通信機器の開発・販売を手がけるブイキューブ(本社・東京都目黒区)とレノボ・ジャパン(本社・東京都千代田区)が2017年8月1日に発表したもので、幅1.1×奥行1.1×高さ2.2メートル、見た目は電話ボックスに似ている。
内部には机と椅子、小型のデスクトップパソコンや、テレビ会議も可能な通信設備、電源2口などのほか、換気や防音機能も完備した。また、J-CASTニュースの2日の取材に応じたブイキューブの広報担当者によると、大きな特徴は「周囲を気にせずに会話ができること」だ。
テレワークで使用される場所としては、自宅やカフェのほか、サテライト・オフィス(会社の機能をもつ小規模な事務所)も増えつつあるが、「テレビ電話などで声に出して会話したい場合、課題があります」という。
「自宅では生活音が気になる人もいますし、多くの人がいる外出先で仕事の会話をするのは難しい。社外の関係者と通信しつつ、スムーズに仕事を進めたい人からは『メールやチャットだけでは足りない。会話できる環境がほしい』という声が少なくありません。そんな『テレワーク難民』を救う場所として生まれたコミュニケーションツールがテレキューブです」
「コレじゃナイ感満載」
カフェ、オフィスビル、商業施設、公共施設、駅、空港など多様な場所での設置を想定しており、目標は初年度売上2億円、設置100か所。広報担当者によると、すでに興味を持つ企業から問い合わせが来ており、目標達成へ上々なスタートだという。
一方、ツイッター上では「この中にコモって仕事しろって言うワケ?」「駅とか商業施設に並んでたらやだよ...」「コレじゃナイ感満載」などと、ここで仕事をする姿が想像できないようで冷ややかな声が目立つ。
このような反応をどう思うか広報担当者に聞くと、「新しいことをする際には賛否両論が出るのは当然だと思います。実際に利用してもらうと便利さを感じてもらえるのではないかとも思います。現在は電話ボックスをあまり見かけなくなったため、より理解が得づらいのかもしれません。快適に利用していただけるよう、そうした意見を生かしていきたいです」と答えた。
また、利用タイミングは「会話できる環境が一時的にほしい場合を想定しており、『一日中こもりきり』という感じではありません。たとえば、移動時に30分あまって少し打ち合わせしたい、という時に立ち寄るようなイメージですね」と話していた。