コレステロールと自殺の関係は?
今回の結果はなぜ起きたと考えられるか。がん研は発表の中で、
「高コレステロールが脳血管性うつ症状を誘発することが報告されており、そのことが自殺リスクの上昇に影響を及ぼした可能性が考えられます」
と指摘している。2011年に米国で発表された研究でも、コレステロールは脳の神経伝達に関係しており、極端な高値低値は気分や行動に影響すると指摘されている。
がん研は過去に行った研究で、低コレステロールな食事パターンが自殺リスクを下げることを確認しているとしており、食事を通してのコレステロール摂取量の違いが自殺リスクの上昇と関連している可能性もあるとしていた。
ただし、今回の調査ではベースとなった総コレステロール値が調査開始時のもので、追跡中に値がかわっている可能性は考慮できていない。また、抗コレステロール薬である「スタチン」がうつ症状と関連があるとの報告もあるがその影響も考慮しておらず、正確な影響を分析するためにはより詳細な調査が必要であるという。