中学校給食は「食べる力」低下招く 前・川崎市長が反対論唱える理由

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「なんだ食べる力って......?」

   2017年7月、一般ユーザーが、この投書を撮影した写真をツイッターに投稿したことで、この一文は広く注目を集めることになった。ツイートは2000件以上拡散されたが、

「なんだ食べる力って......?」
 「食べる力が何を指すのか意味不明です。給食は不要だから不要だとしか言っていません」

など、批判的な意見が目立つ。約400字程度の短文ということもあり、特に「食べる力」が何を指すのかピンと来ず、首をかしげる人が多かったようだ。また、共働きが増えた現在、親が弁当を作ることは難しい、との意見もある。

   真意を探るべく、J-CASTニュース編集部は、阿部氏本人に話を聞くことにした。

   そもそも阿部氏がこの一文を書いたのは、給食問題を論じた神奈川新聞の社説(1月23日付朝刊)で、「『愛情弁当論』を唱えていた前市長時代は(導入が)進まなかった」と言及されたことがきっかけだった。だが、阿部氏は「親(特に母親)が弁当を作ってあげるべき」という愛情弁当論には反対だという。

「私は、母親に弁当を作れと言っているのではなくて、(生徒が)自分たちの力で食べるものを確保することが重要だと考えているのです」

   「働き方改革」の旗の下、共働き家庭が増える一方で、今なお家事の負担は女性に集中しがちだ。給食導入論もその前提に立つ。

   だが阿部氏はむしろ、子どもが男女問わず、早くから自立して家事を行い、その習慣を身に着けて成長すべきだと唱える。そうすれば、親の負担が軽減するだけでなく、大人になってからも、女性だけに家事を押し付けるようなこともなくなる。その訓練の機会として、子どもが自ら弁当を作るべきだ――というのが阿部氏の主張だ。

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