「北米ではシャープブランド持ち続ける」 ホンハイと対峙するハイセンス副社長に聞く

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「(買収後のシャープ社長は)契約精神に背く行為」

――しかし、シャープは昨(16)年、ニューヨークなどでハイセンスを起訴しており、その目的はハイセンスの手からシャープブランドの使用権を取り戻すためであると一部のメディアは報道しています。

チュー ハイセンスとシャープが北米市場におけるブランド委託販売について協議しているとき、シャープ側が重くみていたのは、われわれの技術力と海外経営能力で、シャープが自ら北米のブランドを交渉範囲に入れて、買収を考えてもらいたいと提案されました。双方の協議が成立した後、シャープはハイセンスの工場運営、ブランド運営など各方面に対する協力に満足していました。
   ホンハイがシャープを買収した後、シャープの社長が交替しました。彼は、一方的にメディアにシャープの北米におけるブランドを取り戻すと宣言し、それ以前にハイセンスにいかなる意思表示もありませんでした。ハイセンスは、これは契約精神に背く行為で、ハイセンスを尊重しない行いであると考えています。

――それでは、ハイセンスは契約を履行し続けると理解していいのでしょうか。

チュー そうです。われわれは契約精神が市場経済の基礎であると考えており、ハイセンスは双方が合意に達した商標に関する約束を完全に遵守し、続けて北米でシャープブランドのテレビの生産・販売を行っていきます。ハイセンスは非常にまじめに契約を履行し、シャープブランドと製品の宣伝に力を尽くします。

――今年7月、シャープは、ハイセンスが知的所有権を侵害したとして、賠償を求めたという報道がありますが。

チュー シャープの起こした訴訟の関係事項は、我々の弁護士が処理していますので、ここで私どもは触れませんが、一つ説明しなければいけないのは、ハイセンスがもめ事を起こしたわけではなく、恐れることは何もないということです。ハイセンスは正当な手段で自分の合法的な権益を守り続けます。ハイセンスには50年近い歴史があり、テレビに関する多くの特許を所有しています。われわれは引き続きシャープブランドと製品を宣伝し、契約を忠実に履行していきます。

――現在、ホンハイは米国でシャープブランドのハイエンドテレビを販売しようとしていますが、これはハイセンスの戦略に何らかの影響をもたらすのでしょうか?

チュー ハイセンスはずっとハイセンスブランドを世界一流のブランドにしようと努力してきており、われわれの核心戦略は高品質・中等価格であり、技術を先行させて製品により牽引して、販売ルートを開拓し、目標マーケットのミドルからハイエンド商品の市場シェアを逐次高めてゆくというものです。ここ10年の海外戦略の実行により、大部分の地域の販売ルートですでにハイセンスの戦略が受け入れられているのを見ることができます。
   ハイセンスは現在、米国やヨーロッパ、アジア太平洋、中東などの主流となる販売ルートでとても安定した協力関係を築いており、米国ではベスト・バイやウォルマートなどの主流販売ルートに乗っています。ハイセンスの市場シェアの成長は極めて快調で、シャープを超えています。

――日本での状況はいかがですか?

チュー 日本では、ハイセンスは日本市場の海外ブランドの中でシェアが最も高いメーカーです。ハイセンスの日本支社は2010年末に成立し、2011年3月にテレビを正式に発売し、2014年には冷蔵庫、2016年には洗濯機を日本市場に投入しています。2018年にはエアコンも日本市場で発売する予定です。現在、ハイセンスブランドの商品はすでに日本の5大スーパーチェーン・量販店で販売されています。2017年の日本市場の売上高は100億円に達する見込みです。GFK第三者データによると、ハイセンスの日本におけるテレビ販売量の市場シェアは4.6%に達しています。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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