道を歩いているとハッと目を引くマンホールを見かけることがある。マンホールのデザインは全国に1万2000種類ほどあるとされ、城郭や景勝地、有名な食べ物など「ご当地もの」を丁寧に描いた凝ったものも少なくない。
そんな数々のマンホールを手のひらサイズのカードにデザインした「マンホールカード」がブームの兆しを見せている。カード制作担当の山田秀人さんは、J-CASTニュースの取材に「これだけ反響が大きくなるとはまったく予想していませんでした」と話す。
大阪城、ねぶた、瀬戸内のレモンなど
マンホールカードは、下水道関連企業や国土交通省などが官民協力でつくるPR団体「下水道広報プラットホーム」(GKP)が企画し、2017年8月1日に52種類が新たに発行された。カードにはマンホールのデザインと、そのマンホールが設置されている自治体名も書かれている。新たに発行したものには、たとえばサッカーJ1・鹿島アントラーズのエンブレム(茨城県鹿嶋市)、大阪城(大阪市)、ねぶた(青森市)、レモン(岡山県瀬戸内市)など、地域を象徴するものが描かれている。
カードは無料だが現地に行かなければ入手できない(詳しい配布場所はGKPウェブサイトに掲載)。独特のデザインはSNSでも好評のようで、インスタグラムでは「#マンホールカード」と検索すると1日時点で2800件以上ヒットする。カードを持って実際にマンホールの場所に赴き、その両方を1枚に収めた写真が数多く投稿され、ブーム化の兆しを見せている。
カードが生まれたのは2016年4月。自治体からの申請をもとにGKPが制作する形をとり、4か月に1回のペースで新シリーズを発行、今回が第5弾となる。GKPのデータによると発行枚数は、第1弾(16年4月)が10万枚、第2弾(16年8月)15万枚、第3弾(16年12月)15万枚、第4弾(17年4月)20万枚、第5弾(17年8月)30万枚。バリエーションは開始当初の28自治体30種類から、8月に191自治体222種類に到達し、着実に増加を続けている。
GKPでマンホールカードのプロジェクトリーダーをつとめる山田秀人さん(42)は1日、J-CASTニュースの取材に対し、同カードには「下水道広報用のパンフレット」と同時に「コレクションカード」という収集の要素があると話す。