沖縄県にあるコンビニのアイス販売ケース内に着ていた服を投げ入れたり、ケース内に横たわったり、といった動画がツイッターにアップされた。店は警察に被害届を提出し捜査が行われている。
これまでなら「バカッター」が登場すればネット上は大盛り上がりになったのだが、「前に見た」「いまだにこんな奴いるの?」と、今回は総じて関心が薄いようだ。どうしてこうなったのか。
若い男はアイスケースの中に上半身から入って行った
大手コンビニチェーンの沖縄本部にJ-CASTニュースが2017年8月4日に取材したところ、「事件」は8月2日未明の4時頃に起こったという。3人の10代と思われる男性が来店し、1人はカメラを持っていた。店内が騒々しいことに気付き、店員は3人に注意をした。しかし、そこで何が行われたか店員は見ていなかった。その夜遅く、本部の担当者が動画を見つけ、該当店を探した。ここだと思われる店に行き、店内に設置している防犯カメラの映像と比較したところ、店内で行われたものだということを確認した。3日、店は警察に被害届を提出し、アイスケースの中の商品を全て入れ替える作業を始めた。
「お客様に安心して買い物をしていただける売り場づくりをしている中で、あまりにも度が過ぎる行為が行われた。こうしたことはこれまで記憶がない」
と沖縄本部の担当者は怒りを露わにしていた。警察が捜査中だという。
問題の動画は20秒ほどで、ツイッターにアップした後に間もなく削除されたが、それをコピーした人がいて、現在は相当数がネット上に出回っている。
動画には2人の若い男が登場し、1人は上半身が裸だった。その脱いだと思われる服を「冷やす」などとアイスケースに投げ入れ、上半身裸の男はケースのカバーに腹ばいに乗って向こう側に移動した。もう1人の男はアイスケースの中に上半身から入って行って中に寝ころんだ後にケース外に出た。終始無邪気に、楽しくてしょうがないといった叫び声をあげていた。
騒ぎを大きくする必要がないのは「逮捕と賠償は分かっているから」
こうした迷惑動画、迷惑写真がツイッターに多数投稿されるようになったのは2013年から。13年6月にコンビニ店員がアイスケース内に寝ころぶ写真を投稿したのが「バカッター」と呼ばれる始まりとされている。回転すし店の醤油口を咥えた写真や、パトカーの屋根に乗って揺らしたり、ピザの宅配店で売り物のピザの生生地を顔に張り付けたりなど多種多様あり、ツイッターは「バカ発見器」とも言われた。こうした騒動で加害者に損害賠償させたり、問題を起こした店員がクビになったりしたのだが、店そのものが閉店に追い込まれる例も出た。
ツイッターユーザーは、「バカッター」になれば騒ぎが大きくなる事を知り、店側も注意喚起をしたことで、ここしばらく「バカッター」騒動は無かったが、今回また起きてしまった。しかし、以前のような大騒ぎや加害者に対する激しいバッシングには発展していない。「いまだにこんな奴いるの?」と食傷気味の状態なのだ。かつては「バカッター」の急先鋒だった掲示板「2ちゃんねる」も、さして盛り上がっていない。
「スレ伸ばす必要もないからな。間違いなく捕まって賠償させられるのわかってるし」
「昔なら50、60スレッドとか伸びてたけど、もう馬鹿すぎて相手にもされなくなったんだな」
「沖縄遅れてるな」
などといったことが書き込まれている。ある意味ネット上では「正義感」から「バカッター」を追い詰める努力をしていたわけだが、一般社会で「バカッター」に対する警戒感が高まり監視網が広がったこともあって、関心が薄くなってしまったようだ。