必ずしも足が速い必要はない
ではティラノサウルスは走って他の草食恐竜などを狩ることはなかったのかというと、必ずしもそうとは限らない。セラース教授は今回の数値はティラノサウルスの成人のものであり、比較的体が小さく若い個体の場合は異なると指摘する。
近年ティラノサウルスが家族などを中心に一定の規模の群を形成し、集団で狩りをしていたのではないかとする説も存在しており、例えば比較的足の速い若い個体が獲物を追い込み、大型の成人個体は獲物を仕留める役割を担っていた可能性もあるだろう。
また、大型草食恐竜は時速20~30キロすら出ない種もいたと考えられ、そもそもティラノサウルスがそれほど高速で走る必要がなかったとも考えられる。
現物を確認することができない以上すべては推測でしかないが、万が一ティラノサウルスに遭遇した場合、車に飛び乗って走り去ることが逃げ切る方法だろう。