食材の質に「秘密」が隠されていた
研究者らはその理由を検証し、非常に明快な答えを出している。収入や学歴の差が、食事の質の差につながっているのだ。
例えば同じ種類の野菜と果物、魚を使って同じ品目を食べていても、高所得・高学歴層は有機栽培や栄養添加された野菜や果物、より高級な魚を使っているのに対し、低所得・低学歴層は質の低い食材を使わざるを得ない。
研究者のひとり、マリアラウラ・ボナッチオ博士は8月1日付の米CNNの記事の中で、
「顕著な違いはオリーブオイルです。2~3(約260~390円)ユーロのエキストラバージンオリーブオイルが10ユーロ(約1300円)のものと同じ栄養特性を持つとは思えません。どれほど健康的な食事でも、価格の違いが効果に差を生み出すのです」
とコメントしている。
ただし、今回の研究結果はあくまでイタリアに限定したものだ。食料事情や価格が異なる地域では、異なった結果になる可能性があると指摘する専門家の声を、CNNは記事中で紹介している。
ボナッチオ博士も「ポリフェノールや緑黄色野菜、魚介類に含まれる栄養に価値がないということではないし、高脂肪食と地中海食に差がないわけでもない」と忠告。食事の健康効果を検証する際は、食材の質やコストにも注目する必要があるだろうと指摘している。