「チョコでやせる」はでっち上げだった! ダイエット商法のカラクリを暴く

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ダイエット業界からカネをもらう肥満学会の幹部

ムールハウザー「肥満症ガイドラインの作成委員は6人いますが、うち4人はダイエット関連企業の役員か、企業から研究費をもらっています。ガイドラインにはスポンサーの意向が反映されています」

   その4人のうちの1人ハンス・ハウナー(ミュンヘン工科大学教授、栄養学の権威)は2人の取材に対し、企業からカネをもらっていることを認めた。

ハウナー「研究費用を出してくれるのは、スポンサー企業しかありません。ダイエット法の85%は、厳密な意味で科学的な証拠はありません。多くは経験に基づくので検証が難しい。どのプログラムでも1年で参加者の3~4割が脱落し、対象者が減ってしまうので、研究そのものに限界があるからです」

   肥満学会の権威自らが、自分たちが「科学」のお墨付きを与えたはずのダイエット法に確信を持っていない。そこで、2人はいかにも「科学的」な「架空のダイエット法」をでっち上げ、ダイエットの世界の内情を暴露することを思いついた。「チョコレートを食べるとどんどんやせるというのはどう?」とピーター。「いいわね。でも甘いミルキーだと信ぴょう性がないから、ダークチョコ(高カカオチョコ)にしましょう」とダイアナ。

   「チョコレート・ダイエット」を「科学」にするには、まず実験をして論文発表をする必要がある、先に登場した栄養学者のクノップ、科学記者のボハノン、医師のムールハウザーがチーム「偽ダイエット・プロジェクト」に参加した。チームは、被験者を16人募集した。期間は3週間。被験者を次の3つのグループに分けた。

A:低炭水化物+チョコ(朝晩カカオ83%の板チョコ半分ずつ食べる)。

B:低炭水化物のみ食べる。

C:特になにもせず、普通の食事をする。

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