「チョコでやせる」はでっち上げだった! ダイエット商法のカラクリを暴く

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【世界のドキュメンタリー ダイエット商法のからくり】(NHKBS)2017年8月3日放送
ドイツ発「チョコレートでやせる!?」の真実

   「美味しく食べて、やせられる」という一石二鳥で、世界的なブームになった「チョコレート・ダイエット」。実はドイツの2人のジャーナリストがでっち上げた「ウソの科学論文」がもとになっていた。

   彼らはダイエット業界と医学学会、そしてメディアまで批判精神をなくして宣伝する現状を告発するために、「でっち上げ作戦」を行なった。2015年に放送されたこのドキュメンタリーは、2人がいかにウソのダイエット法を「科学」に仕立て上げたかを通してダイエット業界の闇を報道している。

  • ダイエットには深い闇が
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「○○は体にいい」はほとんど証明されていない

   世の中には毎年2万8000もの健康情報が出回っている。様々な医学学会から互いに相反する説が出される。「炭水化物はパワーの源」「炭水化物は肥満のもと」「加工肉の取りすぎはがんになる」「肉の飽和脂肪酸は健康にいい」「クルミはアルツハイマー病を予防する」「クルミは中性脂肪を増やす」「ベーコンよりフルーツがいい」「フルーツの果糖は肥満の原因」などなど。

   いったい、どちらが正しいのか。ドキュメンタリーを制作したドイツの2人のテレビ記者、ダイアナ・オビルとピーター・オンネッケンは、栄養学者ウーベ・クノップを訪ねた。クノップは様々な学会が発信する情報に批判的だ。

クノップ「今の栄養学の方法に科学の裏付けはありません。データを集めて観察するだけで、仮説、推測に過ぎない。例えば、何万人ものデータから死亡率を割り出し、『ネットテレビよりケーブルテレビを見る人の方が長生きする」という統計結果を出すことは可能です。それを信じる人はいないが、『テレビ』が『食物繊維』になると、みんな信じる。しかし、なぜ食物繊維が長生きの元なのか、誰も因果関係を証明した者はいません」

   では、なぜこんな「科学」が出回るのか? 2人は米ハーバード大学の研究者で科学ジャーナリストのジョン・ボハノンに聞いた。

ボハノン「ダイエット産業に関わる企業は、科学のお墨付きをキャンペーンに利用したがる。そのために、多くの学会が企業からカネをもらい、利用されています」

   2人は独ライプチヒで開かれているドイツ肥満学会の会場に潜入した。そこには学会の医師、製薬会社、ダイエット企業、食品会社のブースが所狭しと並んでいた。企業も学会の団体会員なのだ。学会は、肥満を「病気」と認識させ、「肥満は治療する必要がある」というキャンペーンを行なうのが目的だ。会員たちは「肥満」を治すための薬品や食品、ダイエット法を売り付ける。学会会場は販路を拡大させるビジネスチャンスの場になっていた。ドイツ肥満学会は「肥満症ガイドライン」を作り、いくつかのダイエット法を推奨している。しかし、ハンブルク大学の医師イングリット・ムールハウザーはこう批判した。

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