東京都の小池百合子知事は2017年8月3日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で約1年ぶりに会見した。
小池氏は記者からの質問に答える形で、小池氏と同様に既成政党の支持を受けずに当選し、後に議会で勢力を伸ばしたフランスのマクロン大統領と「結果として類似した点もあろうかと思う」と分析。有権者の「既成政党離れ」の原因について持論を展開した。
既成政党は「これまでの延長線で議論ばかりで結局結論が出ない」
自民党と袂(たもと)を分かつ形で都知事に当選した小池氏は、17年7月の都議選で地域政党「都民ファーストの会」(都民ファ)を率いて大勝。マクロン氏は17年4月の大統領選で既成政党の支援を受けずに当選し、6月の国民議会選では自らが率いる政党が国会の選挙で議席の6割以上を獲得し、権力基盤を固めた。
小池氏は、こういった点を「結果として類似した点もあろうかと思う」として、2人の勝因を次のように分析した、
「既成政党に任せていると、新しい道や改革が行われないのではないかということで、新しい組織・政党に希望を託した、ということだと思う。マクロン大統領も私も、そうやって新しい道を築いたということは、多くの賛同をいただいているということで、大変嬉しくもあり、責任も重いと思っている」
その上で、既成政党では環境の変化に対して答えが出せずに有権者のニーズを満たせない状態になっているとみている。
「ではなぜ、既成政党では満足しないかというと、時代の流れが速いからだと思う。そして、今、世界が激動し、と同時に、生活も大変大きく変わっている。そういう中で、既成の政党がこれまでの延長線で議論ばかりをしていると、結局結論が出ないということが各地でみられる。そのために『新しい道を探そう』という有権者の合理的な判断だと思う」
都民ファ以外にも新党が出現し、有権者が目移りしてしまう可能性については、
「時間とエネルギーをロスするだけでは無責任なので、しっかりと取り組んでいきたい」
と述べるにとどめた。