製薬メーカーの武田コンシューマーヘルスケア(東京・千代田区)は、出荷済みのビタミンC錠剤に人毛が混入していたとして、一部の製品を自主回収すると公式サイト上で発表した。
対象製品は「ビタミンC『タケダ』」(300錠入り)。同社の担当者は2017年8月3日の取材に、混入が発覚した経緯について「消費者から『錠剤から毛のようなものが飛び出している』との指摘があり、自社で調査したところ判明した」と説明した。
「重篤な健康被害の恐れはない」
自主回収の発表は17年7月31日付。対象は同年3月に出荷された計3880製品で、パッケージなどに記載がある製造番号が「F165」となっているもの。同社ではこの混入による健康被害の報告は受けていないほか、
「人毛が人体に有害な作用を生じさせる可能性は極めて低く、重篤な健康被害の恐れはないものと考えております」
とも分析している。
同社経営管理部の担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、「混入は製造の過程で偶発的に発生したもの」と説明。作業員の衣服などに付着した人毛が、製造時に混入した可能性が考えられるそうだ。
消費者からの混入報告は1件のみ。ただ、他の錠剤にも人毛が混入している可能性は否定できないとして、同じ日に同ロットで製造した分を自主回収することに決めたという。
なお、同社では再発防止のため、作業手順や機器の清掃工程の見直し、管理体制の強化を実施済み。加えて、混入が発生した「ビタミンC『タケダ』」については、通常のチェック工程に加えて出荷全品の目視検査の実施も検討しているという。担当者は、
「このたびはご心配、ご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。今後、再発防止を徹底していきたいと考えています」
と話していた。