「電気自動車(EV)は不安。やっぱり、ガソリン車の方が『安心』できる」――。欧州を中心に世界でEVの普及が加速する今も、日本ではこんな根拠のないイメージに捕らわれている人が少なくない。
日産「リーフ」は誤解されている?
実際、J-CASTニュースが実施したアンケートでは、EVの航続距離や充電スポットの数など「利便性」の面を不安視する意見が投票の8割以上を占めた。そのほか、ツイッターでは、EVの車両価格や充電費用などのランニングコストについて、
「興味はあるんだけど、値段が高そうなのが...」
「EVは今のところ、値段が高そうなのがネック」
などと懸念を示す意見が多く出ている。
だが、こうした電気自動車への「負のイメージ」は、はたして本当に正しいのか。そこでJ-CASTニュースは、電気自動車「リーフ」のオーナーを対象にインタビューを実施。利用者の「生の声」を聞くことで、EVをめぐる現状を改めて探った。
「EVの不安要素」アンケートの結果は...
今回J-CASTニュースでは、EVに関する「負のイメージ」の実態を探るため、7月中旬に簡易アンケートを実施した。質問は「電気自動車について、あなたが思う『不安要素』は次のうちどれ?」というもので、選択肢には次の4つを用意した。
「車両価格や充電費用が高そう」
「充電スポットが少なく、不便そう」
「長い距離が走れず、遠出ができなさそう」
「ガソリンに比べてパワーが無さそう」
約1週間の投票期間のうち、集まったのは166票。その内訳をまとめたのが、以下の円グラフだ。「充電スポット」や「航続距離」など、EVの利便性を懸念する意見が全体の86% を占める結果となった。
J-CASTニュース作成のグラフ
そのほか、投票を呼び掛けるツイートに対しては、EVは車両価格が高いのが難点だとして、「バッテリーの値段が下がれば コスパが圧倒的なので一気に普及する」と強く訴えるオーナーも出ていた。
このオーナーが指摘した通り、確かにEVのランニングコストは圧倒的に安い。
特に日産「リーフ」の場合は、「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2(ZESP2) 使いホーダイプラン」に加入することで、月額2000円(税別)で全国約5600基の急速充電器が使い放題に。つまり、「燃料代」を一切気にすることなく運転することができるのだ。
実際、J-CASTニュースのインタビューに応じた日産「リーフ」オーナーのAさん(20代男性、新潟県在住)は、「ZESP2」の使い放題プランについて、
「燃料代が一切かからない状態で、こんなお得感は『格安SIM』以来です」
と絶賛する。充電における手間についても、「また急速充電の際は、ZESP2充電カードを充電スタンドにかざして認証するだけ。充電は面倒ではなく、むしろガソリン給油より手軽に感じます」としていた。
日産販売店などの急速充電器が使い放題になる「ZESP2使いホーダイプラン」
さらに、国や地方自治体が実施しているエコカー減税や補助金支給制度を活用すれば、購入価格も下げることが可能だ。上述のAさんはリーフの購入時、「33万円ほどの補助金が購入後に支給された」という。その上で、
「リーフはEVなので、同クラスの他車と比べて(補助金の支給額は)高めでした。なので、大変嬉しいサポートになりました」
としていた。