行きたい病院を自分で選べないなんて 複雑すぎ!米国の医療保険の裏側

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   J-CASTヘルスケアで「米国最新サプリ事情」を執筆している、北雨利香です。実は2か月ほどお休みさせてもらっていました。「椎間板のズレによる左手の痺れ」で、パソコンのキーボードを打つのが辛くなったためです。

   それにしても今回のことで改めて痛感したのが、米国の医療保険制度がいかに不便か、ということです。自分が診てほしい専門医にたどり着くまで時間がかかること! 治療のためだけに日本へ帰国しようかと思ったほどです。私自身、日本滞在中に医療機関にかかる必要が生じた場合、日本の医療保険に加入していないために、毎回全額負担で診てもらうのですが、米国で払う保険料に比べると安いのです。おまけに、自分で医者を選べて、かつ質の高い医療を受けられるのですから、外れることがない。

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医者や病院が入る「ネットワーク」とは

   オバマ前大統領による医療保険改革(通称オバマケア)以来、米国では基本的に国民皆保険が義務付けられています。ただし、日本と違って国民健康保険制度は存在せず、個人での加入か、会社を通じて団体の医療保険に加入しなければなりません。いずれも医療保険を提供しているのは、民間の会社です。ただし低所得者層や高齢者、障害者は、国や州による公的医療保険に加入することができます。

   米国では日本と違って、どこでも簡単に医者に診てもらえません。「ネットワーク」なるものが存在し、医者や病院がそれに入っているか入っていないかで診てもらう医者も自己負担医療費もかなりかわってくるのです。

   それぞれの医療保険会社は独自のネットワークを持っているのですが、そのネットワーク内(in Network)の医者であれば、保険がきくので、少ない負担金額で診てもらうことができます。全額負担のうちの何割かを払うのです。自己負担額の割合が何パーセントの保険のプランに加入しているかで金額は変わるので、例えば出産時の麻酔医の費用が1200ドルの場合、自己負担が60%のプランに入っていたら、720ドルは自分で支払うことになります。

   ネットワーク外(Out of Network)であれば、医療保険によっては診てもらえるものの、保険が効く割合がネットワーク内より少ないため、自分で高額な医療費を払う羽目になります。

   そのため、自分が診てほしい医者が自分の加入している医療保険のネットワークに入っているかが、とても大事になってきます。逆をいえば、自分のかかりつけの医者、あるいは自分が診てもらいたい医者がネットワークに入っている医療保険に加入することになるのです。

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